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トリノ冬季オリンピック始まる

開催を前に、続々とテレビ局の人たちが来伊した。

ディレクターと数人の方々は、下見に何度かイタリアに来られたけれども、他のスタッフとは、これが初対面。
皆さん、どうぞよろしく!

開会式の前には、会場を見下ろせるアパートの住人に、部屋をお借りして、そのベランダにカメラを設置。
住人の方とご協力いただく打ち合わせ。 
初めてのこととはいえ協力的で、この大会をトリノ市民として参加することに、わくわくしておられるのが感じられる。

大会までに、全ての準備が整うのか? 

気候にも問題があり、開催数日前まで降らなかった雪、人工雪も用意されたけれど、直前に恵みの雪が降った。

心配されていたけれども、かろうじて間に合った。 

他の仕事の時に思う時があった、イタリア人は、大丈夫かな、、、と思わせるけれども、最後に、まぁ上手にまとめる才能がある気がする。

IBCに入るためには毎回、セキュリティゲートを通らなければならない。

本当かどうかは不明だけれども、リュックにいくつか入れていた、私たちテレビ局チームが分けてもらった、アニメキャラクターのピンバッチを、セキュリティチェックを通った後には、全て無くなっていた。。。らしい。

会場の出口付近には、ジャケットの内側にピンバッチをいっぱい張り付けたおじさんがいたりする。

このピンバッチ、私は通勤のバスの中で、上着に付けていた。
それを見た小さな男の子が、その名前をつぶやいた。
人気なんだ、ここでもこのキャラクター。
バスを降りる直前に、その男の子に一つプレゼントする。

今でも私は、その子の満面笑顔を忘れない。

競技は、トリノ市内では、オーバルリンゴット、パラヴェーラ(荒川静香さんが金メダルを獲得した会場)、エスポジツィオーニ、パラスポーツ・オリンピコ(この会場の設計者は、磯崎新 と ピエール・パオロ・マッジョーラの両氏)全席透明な素材で出来ていて、とても素敵な会場。
山岳地帯にも数か所の会場があった。

私はほとんど、IBCに張り付いていたので、遠出は1,2回くらいだったけれど、IBC内は、世界中のテレビ局が集まりにぎやかで、時折、インタビューの為に、RAI イタリア国営放送のブースを訪問したり、日本の多局のスタジオにも遊びに行った。
それぞれの局のキャラクターが違っていて、興味深い。

ボランティアの方々とも、話をしたりで、毎日新しい刺激で溢れていた。

国際中継放送の時のテンションはマックスで、スタッフ皆が必死で走りまくる、瞬間瞬間が大勝負。

嬉しかったことは数々あるけれど、その中でも、ディレクターにもらった、パラベーラ会場で行われたフィギア女子の公開練習を見に行ったこと。
目の前で見る、荒川選手の試合直前のずば抜けた安定感、素人の私にも明らかだった。
だからと言って、その安定感だけで金メダルを獲得するわけではない、それは彼女の実力全てが発揮されたから。

荒川選手優勝の翌日、IBC会場には、彼女の巨大パネルが設置されていた。

☆荒川静香さんがこの会場で金メダル☆

嵐のように過ぎ去った、トリノ冬季オリンピックは、イタリア滞在最後の仕事となる私にとって、なんともゴージャスで真剣で、楽しくて、優雅なお祭りだった。



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