川本真琴と私【音楽コラム】
1996年。
私は毎月、rockin'onとCROSSBEATを購入し、穴のあくほど読みまくるのだけが楽しみの、孤独な洋楽かぶれだった。
「日本の音楽? あんなもん全部、大人が操ってる鏡の中のマリオネットだろ。自分のために踊りな!」
と、世代でもないのにヒムロックを引用する私。
そこへ突如現れた、アコギとジーパン、ショートカットの女の子。
ファーストアルバムのタイトルは、アーティスト名と同じ。
ジャケットの表情はどこか不機嫌そうで、目線を外しており、アイドル的な媚からは程