UFDでは素元と既約元は同じ

UFD、つまり一意分解性整域$${R}$$において素元と既約元が同値であることをみていきたいと思います。


大雑把に定義を確認

UFD(一意分解性整域)

単元でない$${R}$$の元をとってきます。つまり、$${a \in R \setminus R^{\times}}$$とします。これに対し、$${R}$$の素元$${p_1,p_2,…,p_k}$$が存在して

$$
a=p_1p_2\cdots p_k
$$

と"一意に"表せることです。

補足ーa|b

次の記号を定義しておきます。
$${a,b \in R}$$とします。
$${a \mid b}$$を$${c \in R}$$が存在して、$${b=ac}$$となることです。
イデアルで表現すれば、$${(a) \supset (b)}$$となります。

素元

$${p}$$が$${R}$$の素元であるということは、
$${p\neq 0}$$で、$${p \notin R^{\times}}$$(単元でない)でありかつ、
$${a,b\in R}$$に対して$${p\mid ab}$$ならば$${p\mid a}$$または$${p\mid b}$$が成り立つことである。

既約元

$${a}$$が$${R}$$の既約元であるとは、
$${a\neq 0}$$で、$${a \notin R^{\times}}$$でありかつ
$${a=bc~~~(b,c \in R)}$$ならば、$${b \in R^{\times}}$$または$${c \in R^{\times}}$$が成り立つことです。

素元と既約元が同値

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