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心の底から好きじゃない、ごめん。④

久しぶりの彼との再会

決して付き合っていたわけではなく
距離が近い友達という雰囲気で

離れることもわかっていたから
お互いこれからどうすると話もしないまま
離れてしまった

久しぶりに会った彼は
やっぱり笑顔で

久しぶり!
と迎えてくれて
わたしも顔がほころんだ

元々端正な顔立ちでヴィジュアルも良く
かっこよかったけど

また少し大人っぽくなって
垢抜けた雰囲気

2人で食事をして
話を沢山した

離れてから半年以上は経っていた
新しい学校の勉強の話や
新しい友達の話など
色んな話をたのしそうにしてくれた

帰り際まで深い話はできなくて
帰りにわたしから切り出した

『実は、半年前よく会っていた頃
   すごくあなたの事が好きで

   離れて気づいたよ
   もう遅いかもしれないけど
   気持ち伝えたくて 

   もしよかったら
   付き合いたくて

   気持ち聞かせてほしい』

彼も一気に真剣な表情になった

『地元を離れる前に聞きたかった 
   どうしてあの時言ってくれなかったの
  
   俺は伝えていたつもりだったけど
   REIは俺に気がないと思ってた

   離れることも考えて
   俺も伝えなかった

   この距離感の関係性の方がいいんじゃないかと
   思った

   だから言わなかった』

そうだったんだ…
どうしてあの時伝えなかったんだろう

あの時の自分に腹が立って
プライドが高くて臆病な自分が
嫌になった

『今から、新しい関係に
   離れているけど、仲良く付き合っていくことは
   できないかな…?』

必死に伝えた

『俺は寂しがり屋だし、こういう性格だし
   付き合うならば 近くにいて欲しいし 
   近くに自分もいたいと思ってしまう

   恋愛は近くで生まれるものだと俺は思っていて
   距離を埋めれる自信がないんだ  』

彼なりに真剣に答えてくれた

若いし結婚を考えれるほど
お互い余裕がなくて
お互い新しい道に進んでいるからこそ
意見や気持ちが合わないのは致命的だと思った


『わかった…じゃあ今まで通りで
   仲の良い友達でいよう!
   応えてくれてありがとう』

そう最後に伝えて、別れた

そのあと家に帰って
一人で大泣きした

すごく好きだと分かったし
タイミングも大切だった

きっと縁があればまた近くになるかもしれない

タイミングじゃなかったんだ!
必死に自分にそう言い聞かせた

彼とよく聞いていた曲を一人で聞いて
また大泣き

18年間生きてきて
初めての失恋のように感じた

少し中性的な彼は
居心地がよくて
優しくて
彼といる自分のことも好きだった

恋愛は難しいな
うまくいかないな

この後が辛くて辛くて
失恋をしたことがある人なら
みんな分かると思います

なにしてても抜け殻で
心にぽかんと穴
空虚感
でも寂しさ感じたくなくて
ひたすら
仕事が終わったあとも
友人と時間を過ごしたり
なるべく考えないようにした



そこから1年後
共通の友人を通して

彼に彼女ができたことを聞いた
少し悲しかったけれど
幸せならまぁいっか

ただとにかく
好きな人ができなかった

出会いの場に行っても
紹介してもらっても
彼を超えるくらいの好きになれる人は
全然いなかった

1年以上も経ったのに
全然忘れられていないことは感じていた


会いたいな

彼にまた会いたいな

と思う日々が続く

少しして、たまたま彼が帰省することを聞いた

友人を交えてなら
向こうに彼女がいても大丈夫かな

友人と4人で会うことになった
久しぶりに会う彼は

また少し大人になっていて

けれど変わらない雰囲気と性格は
あの頃のままだった

彼女は束縛が激しくて
ヤキモチ焼きで大変で

連絡しないと怒るんだよね

そうみんなの前で話していた

そのあと2人になる時間があった

REIはどうなの?
元気にやってた?いい人は?

できてないよ
変わらず元気にやってた

普通に答えたけれど
自分の中で堪えきれない気持ちが
フツフツとしている事は
会ってからすぐ感じていた


やっぱり好きだ

心でそう思った
どうしよう
相手は彼女がいる

伝えたい気持ちと罪悪感で
胸がいっぱいになった

あとで少し2人で話せる??

彼は少し驚いた表情をしたけれど

いいよ

そう答えてれた


1年間の自分の気持ちと
忘れられないことを全部ありのまま伝えた

忘れられなくて
今も変わらず好きなこと
会いたかったこと

彼女がいることも知っているけど
伝えたかった

『そんなふうに思ってくれてありがとう
   信じられない

  REIならもう彼氏がいると思ってたし
  俺なんかにそんな気持ちでいてくれて
  びっくり…

  気持ちはすごく嬉しい
  好きな時期もあったのも事実

  けど 今は彼女を大切にしたくて 
  裏切ったりできない』

彼らしい言葉だった
同時に彼女を羨ましく感じた

近くで彼を独り占めできる彼女は
きっと可愛くて素敵な子なんだろうな

気持ちを聞いて
ありがとうと伝えて別れた

2回目の告白

2回も振られてしまったけれど
こんなに好きになれること今までなかった

そんな気持ちにさせてくれた彼に感謝

そしてしばらくして
20歳を迎える

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