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やっちゃば一代記 思い出(29)

大木健二の洋菜ものがたり
 男心くすぐる?ニューフェイス
プティ・ベール
 芽キャベツとケールを交配してできた純国産の新野菜ですね。
1991年11月に産声を上げて以来、消滅寸前の芽キャベツに代わり、サラダや肉料理の付け合せとして定着しました。ただし、産地の移り変わりは激しいようです。最初は茨城、北海道、千葉県成田、浜松、磐田と移動し、長崎県唐津からも出荷がありました。
 芽キャベツの生産量が全国一多かったのは静岡県磐田市でした。このままではいずれ消えたしまう、という危機感を抱いていた矢先に、種苗会社の増田耕三さん(増田種苗)がプティベールを開発、わたしのところに持ち込んできたのです。それまで夫人同伴でたびたび店を訪れ、3人で新野菜について談論風発したものですが、思うに、プティベールの開発は多分に夫人の力に預かっているのではないでしょうか?姿形、そして名前から類推するに女性らしさがうかがえるからです。
 ケールを掛け合わせたのは不結球にするためと、高い栄養価を得るためです。芽キャベツが持っている食味上のクセ(キャベツ臭)なく、熱湯を通すと緑が映えますから、食べて美味しい青み野菜と言えます。また、芽キャベツだと肉料理一皿に3っは必要ですが、プティベールは2っで十分。ボリューム感があるだけ割安です。
ただし、調理の際はお尻に切れ目を入れておくことですね。これだけでスープや煮汁のが染み込み、美味しくなりますね。このちょこっとした手間を怠ってきたばかりに、芽キャベツが伸び悩んだことを考えると、感慨深いものがありますよ。
 ※プティベール
可食部分100g当たりの成分は、エネルギー65キロカロリー、タンパク質6.4ミリグラム、糖分11ミリグラム、カルシウム75ミリグラム、カリウム540ミリグラムと、キャベツ、ブロッコリー、レタスに比べていずれも2倍から3倍と高い栄養価があります。またカロテンをはじめとするビタミン類も多く、ヘルシーイメージもセールスポイントです。簡単な食べ方は3分くらい茹でて温野菜、大葉のように天ぷらにしてもよいでしょう。

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