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「I myな」
『曖昧』とは
日本人特有の 間 とか 感覚 な気がしている
季節と季節のあいだの名前もないしばらくの間や
途切れた会話のちょっとしたあいだに流れる時間
どっちともつかないそのおぼろげな存在が
わたしたちの心には、時として心地よい
このロシュフォールコートには
その曖昧さ
不確かさが見え隠れする
![](https://assets.st-note.com/img/1708933376874-y9yTSuDiKv.jpg?width=1200)
衿の後ろのオレンジ色は
見せても、隠してもどちらでもいい曖昧さを漂わせ
その曖昧さが、逆に人に注目させる作用をもたらす
季節だってそうだろう
冬が終わり、適度に羽織るものがなくなったとたん
人は不安になる
そんな時に
クシュッと丸められるコートはどっちつかずの季節の頃
「持っててよかった」
とほっと胸をなでおろす存在になってくれる
![](https://assets.st-note.com/img/1708933423796-UOan69vcSe.jpg?width=1200)
曖昧さとは
人をほっとさせたり
考える時間をくれたり
自分と向き合わせてくれたり
シロクロはっきりつけることが苦手なひとの
こころにじんわり浸透していくものなのかもしれない・・・
![](https://assets.st-note.com/img/1708933463087-mr0xGmcQCz.jpg?width=1200)
脱いだコートをクルクルと丸める様がスマートだったあの人の
その姿が脳裏に焼き付いている
曖昧な季節を生きるのがうまい人だなと思った
丸めてもしわになりにくいからいいのよ
と最高の笑顔で答えて
コートをバッグの上にポンと置くすがたは
今も忘れられない光景となった
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