「夏の小窓」
少しずつ
肌をかすめていく風に湿り気を感じるこの季節
重たくのしかかるような空気の層に
わたしの気分も右下がり・・・
季節が変わっていく
それを感じながら
街の景色の変化にも目を向けてみる
日傘の女性や
かごバッグのひと
季節ごとに小物を使い分けることの楽しみを知っている人たちだ
暑さと肌寒さを行ったり来たりするなかでも
人々はどこかこの先の季節を待ちわびてるように見える
本番の前に訪れるほんの少しのこの期間
小さな夏の小窓と称したその窓からは
ふわっと初夏の香りが吹き込んでくるような気配がしている
去年の帽子を思い出し
お気に入りのebagosのお手入れをする
バッグのハンドルの可動域を確認していると
一瞬にして目の前に夏が広がっていくようだった
ボーダーTにカゴバッグ
自分でもありきたりなシチュエーションに
クスリと笑みがこぼれるけれど
何度この季節が訪れても
マイ定番が覆ることはない
強い日差しは、目深にかぶった帽子で対策し
シンジケートのブレスレットのプレートは
水面に映った太陽のように光り輝く
この季節にしか味わえない特別の光は、
まぶしいほどに夏のドラマを見せてくれるのだ
シャランと手首のチャームが揺れたとき
思わずハンドルを握る手に力をこめたけれど
その音は、まるで風鈴かの如く耳に心地よく響いた
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