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待ちわびた花曇りの日





部屋がぬくもり切らない時間に

コートを羽織って外に飛び出した






いっせいに散ってしまう桜の枝を眺めながら



目に映る空のグレーが、ほんのちょっと嬉しかった日





本に挟まれたしおりの隙間ような短い期間に


必然的に訪れるあやうい天気




曇ったり 雨を降らせたり


その繰り返しがおよぼす気温変化に加えて、花粉の飛来




そうやって少しずつ溜まったストレスは

次第におしゃれをすることに抵抗感をおぼえさせた




ル アーブルポンチョ」(soutiencollar)



そんな桜が散るころ


曇り空の下、ル アーブルポンチョを着て出かけるのが日課になった



この時期特有の調子を狂わせる現象からわたしを解放してくれた

ル アーブルポンチョ




風がコートを脱がさんとばかりに強く吹き付けても

前をかき抱いてしばらくすれば、はたと風がやむ



パッパと砂誇りをはらって、再び歩き出すと

さっきの風とは打って変わって、春の匂いがふわっと鼻孔に香るのだ



「ル アーブルポンチョ」ブラック(soutiencollar)




このコートは風ととても仲が良い



曇り空の日に吹く風が

このコートへ導いてくれたように


グレーの空の下では風がじゆうに遊びながら

次の季節を迎える準備をはじめているのかもしれない





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