恰好はひとまずおいといて
斜めに横切っていく飛行機雲の尾ひれを眺めながら
ひたすら歩みを進めていく
風が気持ちよく頬をなでて
髪がサワリと音をたててゆらめいた
キャンバスに描かれた絵画のようなパンツは
今日、この気候に一番あてはまる爽やかさだ
恰好をつけて、よそ行きをきどってみたいところだけれど
コットンの軽いタッチに包まれながら空を仰ぐと
その思考はどこかに消えさり
ただ生地の感触だけが五感を通して柔らかさを伝えてくる
その間に
さっきの飛行機雲ははるか遠くまで行ってしまったようだ
汗で湿り気を帯びた生地と肌の間を風が通り抜けると
一瞬にしてその場所がクールダウンする
コットンの良さってそういうところ
そういえば、今日はまだ1度もうしろ姿にしわが入っていないことに
はたと気がついた
もう少しこのまま自慢の姿をキープしていたい・・・
あと少し楽しんだら、さっき見かけたカフェで一休みしよう
そう思い立ち方向転換して、また来た道を引き返してゆくことにした
その最中、見上げた空には何一つ横切るものは浮かんではいなくて
さらに強くなった日差しがそこにあるだけだった
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?