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閃花一刀流(ヴァサラ戦記)

『閃花一刀流』とは、ヴァサラ戦記の二次創作オリジナルキャラクターであるオルキスが生み出した剣術流派。


①概要

 ヴァサラ軍に所属していたオルキスによって開かれた、対極み使いとの戦闘を重視した実戦剣術。 正式に流派として成立したのは彼女が隊長へ昇格した後と考えられるが、ヴァサラ軍黎明期からカムイ軍との大戦後にかけて同軍内外で多数の門下を抱えながら継承され続け、多くの派生型を持つ。 また、特に優れた技量を持つ者を中心に何度か改良がくわえられてきており、その特徴は大きく下記の三期に分けられる。

②歴史

初代期 オルキス・イタリカ

 初代のオルキスにおける当初の閃花一刀流は「極み」という強力な能力を行使する敵と対峙し、更には異国出身であったオルキスにとって、ヴァサラ軍の盾を持たない剣同士の戦闘術は見慣れないものだったためか、自ら攻撃することよりも「敵の攻撃を受け、あるいは往なす」型と、そこからの反撃を基本としている。 また、受け・往なしの先にある究極的な反撃術として、敵の攻撃を見きった上で「攻め期の発生」を最大の反撃点とする奥義『手向花』を生み出した。 この「攻め期」を見破る観察眼と、相手を防御へ至らせないためにこちらが攻め期を狙っていることを気づかせない気配の抑制は、後の世代まで閃花一刀流の基礎及び到達点として継承されていく。 さらに、オルキスは人体に流れる波動を剣に乗せる事で「人剣一体」にて具現化される「極み」を絡め取る特殊な反撃方法(極みの反射)さえ会得していたと言うが、彼女以外がこれを扱えた記録はない。(※1)

同時期の主な門下はヴァサラ軍四番隊のイゾウ、同六番隊のヤマイ、十三番隊のルーチェ等。(※2)

二期 繰森夏葉

 オルキス・イタリカがヴァサラ軍を辞して以降も、カムイ軍との戦争に備えて戦力強化を求める、あるいは単に彼女を慕う人々によって本流派は盛況した。 中でも刀鍛冶でありながら屈強な肉体と剣の才を持ち、オルキスの元で剣術も学んだ繰森夏葉は、初の皆伝者(※3)となるなど次第に隆盛期の閃花一刀流にて頭角を表した。 また彼女はヴァサラ軍において激化する戦争の中で実戦経験を豊富に積んでいたこともあり、皆伝後も門下指導や流派の拡張に携わった。中でも特徴的なのは、本来受けを重視していた閃花一刀流より「抜刀術」や「突き技」といった攻撃的な型を多数生み出した事である。

しかし、彼女は先天的に身体を流れる波動が極小(あるいは全くないとも)であり、極みの攻撃を絡め取る技術に関しては一切身につけることが出来なかった(※)他、本人の飛び抜けた身体能力故に門下の理解を得られない点もあった。 そのため、彼女が生み出した技術がより包括的に流派へ組み込まれるのは、次期を待つ事となる。(師範も継承していない)

同時期の代表的な門下は、後の八番隊長スイヒ、六番隊員のミズキ、四番隊のラディカ等。

※夏葉は後に『極華』によってこれを実現している。

三期 オルフェ・イタリカ

 初代オルキスの実子であったオルフェは、幼少より母から直々に本流派の剣術指導を受けて育った。 そんな彼は常に同時期の門下生を圧倒し「十代にして歴代最年少の皆伝者」となった他、母以外がなし得なかった「極みの反射」さえも習得したとされる。 その後、オルフェは自らの更なる研鑽のため初代から継承されてきた応用的な諸技術の統合と再編に奔走し、これらは結果的に閃花一刀流を後世へ伝えられる礎となった。

しかし彼は母親や先輩らが健在であったことを理由に正式な師範を次ぐことはなかった。

③特徴及び技術

●特徴

先述の通り、本流派は「極み」やそれに類する能力を扱う敵を打ち破るべく生み出されたものである。 これらの攻撃は「五神柱」の力によって様々な属性を持つほか、通常の人間にはなし得ない威力を発揮することができる非常に強力な力であるものの、それ故に戦闘が長期化すると明確に体力切れを起こす上、発動中も非常に高い集中力が求められる。 こうした特徴を踏まえ、オルキスは「極み使い」との戦闘においては従来の剣術と異なり「守勢」と「反撃」に活路を見出した。 その結果、戦の多い古流剣や実践、独学での戦闘術を扱う相手が多かった時代の影響もあり、後述の「技名」に即し精密に形作られた閃花一刀流は対極み使い以外に対しても高い効果を発揮したとされ、世の評価を受けたのはこうした一面が広まったことが大きい。 しかしオルキスの目指した本流の真髄は「人体を流れる波動の活用」にまで及んでおり、究極的な到達点はやはり「極みの反射」にあったと言える。


●技術

・輪花(りんか)  
唐竹割、一文字斬り、袈裟斬り、そして突きの八方に対応する「受けから反撃」の形。 反撃に右方の袈裟斬りを放つ『一輪花』に始まり、突きを往なす『八輪花』まで一連の型が存在する本流派の最も基本となる技術とされる。

・大輪乃花(たいりんのはな)  
敵の攻撃を刀身で受けつつ、円を描くように往なして流的な反撃を加える。 基本の型の部分的な強化にあたり「円」を意識することでより素早く後隙への反撃に転じる。

・手向花(たむけばな)  
閃花一刀流の到達点であり、本流派の奥義。 気配が薄くなるほどの脱力状態で敵の攻撃を引き付け『攻め期』に対し紙一重ですれ違うように反撃を加える。 相手の攻撃による前進力も加わるため非常に高威力となる一方、使う方にも急始動による強い負荷がかかるため後隙も大きいため、一撃必殺の心得が必要となる。

・菊一文字(ガーベラストレート)  
強烈な踏み込みから繰り出す抜刀一文字斬り。事実上の門下筆頭である繰森夏葉によって考案された。

・鈴蘭(すずらん)
弧を描く足取りで、相手の背後へ回り込みながら放つ居合。 

・散桜(ちりざくら)  
相手の攻撃に合わせて最適な位置へ体を運ぶための足さばき、およびそこから繰り出される一連の反撃技。  多対一における制圧において真価を発揮し、包囲から離脱しつつ、隙を見て反撃を加えることが可能。 「呼吸」と呼ばれる太刀筋の特製を読みとるのが本髄であり、呼吸を把握するほどより鋭く疾い反撃につながる。

・花片(はなびら)  
上述の散桜に対して、より速度と反撃を重視したもの。 相手より力量で上回る場合の制圧に用いられる。

・手切草(てきりぐさ)  
初代期の門下筆頭(※1)だったイゾウによって考案された技。 敵の得意な出方に対して、その出だしへ反撃を繰り返すことで戦力を削いでいく。 互いが手の内を多く晒す長期戦において低リスクかつ閃花流の有利を取りやすい特徴を活かすことを目指した。  

・薺(なずな)  
防御に用いる技術。相手の攻撃を受ける際にタイミングを限りなく一致させることで、衝突時に敵へ強い衝撃を与える。命中すると相手の手足に衝撃と痺れを与え、大きな隙を作ることができる。  

・折梅(おりうめ)  
反撃の打点を敵の武器に定め破壊を狙う攻撃。

・宝輪花(ほうりんか)  
『輪花』の斬撃を連続して放ち、最後に再び一輪花に回帰する九つの連撃を放つ。 オルフェが好んで使用し、様々な状況に対応できる良技とされたが習得は至難。  

派生型

閃花一刀流は極みを持たないオルキスによって開かれたが、彼女の技量が極み使いをも凌駕していたことからその剣技は極みを持つ者らからも高く評価されヴァサラ軍や彼女と親交のあった極み使い達の間でそれぞれに合わせた派生が多く生まれた。

・無刀流
オルキス及び繰森によって生み出された、閃花一刀流を基にした護身術。護身と名がつくが敵から武器を奪うことも視野に入れており、反撃思想が色濃い他、剛掌拳といった近接格闘技術も取り入れている。

・二刀流
これも繰森によって生み出された。非常に高い技量を持つ彼女が自身の得意とする形に閃花一刀流を組み込んだもの。

・極みの型
ヤマイ、ルーチェら極み使いの者達が用いた複合剣技。反撃の際に極みの力を上乗せしその効果を増大させる。  

④補足

※1 明確に記録されていない点に広げれば、イゾウ、オルフェらがこれを扱えたとされる。

※2 事実上最初の門下とされるイゾウは皆伝に値する技量の持主であったが、初代の殺害未遂事件を起こし絶縁されたため叶わなかった

※3 彼女は「極みの反射」を生来会得できなかったため皆伝を断ったが、後に彼女の実力やその難易度を鑑み皆伝の条件から除外された

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