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あったかい箱のはなし

先日、県内のとあるライブハウスに出演させていただきました。
キャパ200人弱の小さな箱。
高校生バンドの私たちにとって、大人のイベントに混ぜてもらうのは初めての経験でした。
出演者の中で高校生は私たちだけ。
初めての経験だったので少し緊張していました。

私たちはトッパーだったのでリハは一番最後でした。
音の確認も終わって、まだ時間があるということで最後に1曲、
WANIMAの「ともに」を演奏しました。
疾走感あふれる、まさに高校生らしい曲。
気づけばフロアには多くの人が集まり、
体を揺らしたり拳を上げてくれる人もいました。
リハにも関わらずフロアは盛り上がり、
曲が終わったときには「ワンモアー!!」という声も上がりました。

特に優しかったのがもじゃもじゃロン毛のおじさん(お兄さん?)2人組。
積極的に盛り上げてくれる2人のおかげで他の人たちもノり始め、ライブハウス全体が暖かい空気に包まれました。
…なんだこの幸せすぎる空間は…!!!!!!!
今までのライブ経験でフロアから声援が上がることなんてほとんどありませんでした。
帰りたくない!!!!ずっとここにいたい…!!!
そんなことを思ってしまいました。

実はこの日、OPEN・STARTが遅い時間だったため、ライブハウスから家まで2時間くらいかかる私たちは自分の出番が終わったらすぐ帰らせてもらおうと決めていました。
本当は最後まで残りたかったけど、次の日は学校だったのでそうも行きまでんでした。

いよいよ自分たちの出番。
リハの盛り上がりによりかなり緊張がほぐれ、いい演奏ができ…ればよかったのですが、相変わらず私はめちゃくちゃ緊張していました。
指が思うように動かない、いつもならできるのに…。
我ながらかなりひどい演奏だったと思います。
そんな演奏でも、おじさん(?)2人組は盛り上げてくれたのです。
最前で柵に手をかけ、前のめりで演奏を聴いてくれました。
リハ同様、この2人のおかげでフロアは盛り上がり、なんとかなったかなぁ、?という感じでした。
演奏もMCも拙い私たちだったので、この2人がいなかったらどんな空気になっていたかと想像するとゾッとします。

大人に比べれば知識も経験も技術も足りない私たち高校生を「かっこいい」と褒めてくれることは簡単では無いはず。最前列で率先して声を上げることも勇気がいる行動のはず。
そんな姿がとにかくカッコよかった。
嬉しくてたまらなかった。
顔も名前も知らない大人が神様に見えるほど。

おそらくもう会うことはないと思うけど、記憶として私の心には残り続けるし、高校のバンド活動でも大事な1日になりました。
改めて言わせてください、ありがとう。




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