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『朝霧』北村薫 創元推理文庫

友人から借りた『朝霧』北村薫 創元推理文庫を読了しました。
文庫には
山眠る
走り来るもの
朝霧
以上3編が入っており、もちろんどの話も良かった。個人的には
『山眠る』が、なお良かったように感じました。
"山眠る"という言葉は、これで終了しました、最後ですといった
印象を私は受けるのですが、この短編では、それを再生を始める準備
を意味すると、訥々と主人公の「私」が伝えようとする場面があり、
それが良かった。(「私」以上にうまく伝えられませんが)

『走り来るもの』は事前に友人より、読む前に桂米朝師匠の
「たちぎれ線香」は聴いておけということでしたので、それを聴
いてから読みました。
"ひかしまへん"と"ひけしまへん"には唸ってしまった。
いやいや参りました。今更ながら落語は凄いですね。

そして最後に『朝霧』。こんな謎がつくれるものか・・・
そしてその謎が解かれると清らかともいうべき言葉が流れる。
それは主人公の「私」をまた大人へと導いていくように思いました。

このシリーズ、おすすめです。

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