あの旗が大事

久しぶりに『洞窟の奥はお子様ランチ』に行きたいな〜と40を超えたのにママと呼ばせるうちの母が、ぱぁぱぁ〜と甘えた声を出している。いやいいですけど、ママと呼びたがったのは私らしいですしね。だけどもう高校生だからね、呼びにくいっす、お母様。
んー考えとく。え〜♡
次の休みは‥え〜となあ。お、美織は行けるか?
‥えっ。わたし？私はぁ‥‥‥
行こうよ！みおちゃん！ママが友達みたいに誘って来た。
親とあそこに行くのは微妙だなぁ。。
後で返事していい?うん。ママ、3人で行きたいな‥。はいはい。リビングのドアを閉じて（めんどくせぇ〜）と口に出す。パパとママはうきうきとスケジュールを確認してるみたいだ。『洞窟』では大人でもお子様ランチを注文しても良い。一日遊んだ後ママは夜ご飯にお子様ランチが食べたいと毎回言う。気持ちはわからないでもない。でも、お前はそれじゃ足りないだろ、とパパにボヤかれている。そう言うパパの目の前にもお子様ランチが運ばれてくる。
私もいつも頼んでしまう。大人こその楽しみなのよ♡と母は終始笑顔だ。それをみているだけで私もパパも来てよかったと思う。聞いてないけどわかりやすい表情である。
ごちそうさまをした後にママもとい母は、これあげよっかぁとつまようじが軸になった外国の国旗を私の前に置いた。パパも真似した。３つ並ぶと可愛かった。
周りの席を見渡してみたけど皆んなにこにこしていたので人目を気にするのはやめた。