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今日のしびれた『WEATHER REPORT』

書かずにはいられない。言いたいことがあふれて、すごく書き留めたいと思った。残しておかないとすぐに消える。

Fishmansの世田谷三部作の三作目『宇宙 日本 世田谷』。音楽のことには学がないため感覚的なことしか書けないけど。

しびれポイントは無骨なギター。

Fishmansはかの三部作を中心に聴いているから下手なことは言えないけど、Fishmansが歪んだ存在感のあるギターを鳴らすことはあまりない。いつもふわふわしていて掴みどころのない、でもどこかに熱を隠しているような......そんな音を出している。

そのふわふわで掴みどころのない雲のような音の中で、ずうずうしさすら感じるギターの図太さはボツボツ落ちる雨のように思える。それがすごくロックなことに感じて、ひどく心が揺さぶられた。


「部屋の中に居続け」、「天気を考える」。この曲って部屋にうずくまる御仁の、退屈しのぎの空想じゃないかなって思う。


怪しい雲行きの中、エンジンをかけ、Fishmans号は旅に出る。

風が吹き、雨が時おり降る。

魚になったようだと思い至っては空想に戻り、船は旅を続ける。

部屋の中で彼は風がなければ遠くに行けるのに、と願い、次の天気はどうしようかと考える。次は青空、デート日和の天気にしよう。


でも今の自分があるのはその風を乗り越えてきたからだ。そのおかげでいいことだってそばにいてくれる人だっている。


船はまた雨のボツボツ降る海に駆り出し、次第にその悪天候は強さを増していく。大嵐を進む船に思いを馳せて、空想から戻る。


WEATHER REPORTは航海の記録なんだ。痛烈な雨風に負けないでひたすら進む、船の勇敢さと美しさの記録。

雨粒を模したギターがジャブのように身体に響いて、完全に俺をノックダウンする。終盤の盛り上がりに心がざわつく。胸がすく、最高にロックだ、最高だ。


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