ラグビーワールドカップ2023レビューその2

ラグビーワールドカップ2023レビューその2。
 今大会は戦前から混戦が予想され、実際に接戦が多かった。特に決勝トーナメントは接戦が続いた。数字の面から確認したい。
 以下、左から決勝トーナメントにおける①1試合当たりの点差の平均値、②2点差以内の試合数、③4点差以内の試合数、③6点差以内の試合数。
 ちなみに2点差はペナルティ・ゴールあるいはドロップゴールで、4点差は1トライで、6点差は1トライ1ゴールで逆転できる点差。

           ①    ②   ③   ④
第1回(1987年) 20.3   ー   ー   1
第2回(1991年)  9.6   1   2   3     
第3回(1995年) 13.7   ー   3   3
第4回(1999年) 16.0   ー   ー   1
第5回(2003年) 14.6   ー   ー   1
第6回(2007年)  9.3   2   2   4   
第7回(2011年)  8.6   3   3   3
第8回(2015年) 15.7   2   3   3
第9回(2019年) 16.4   1   2   2
第10回(2023年)  9.0   3   4   5 

 点差の平均値は過去2番目に小さいが、準決勝のニュージーランド対アルゼンチンが38点差で平均を約5点押し上げており、体感的には過去最も接戦の大会と言って差し支えない。実際2点差以内、4点差以内、6点差以内の試合数はいずれも過去最多。6点差以上の試合の内、1試合は12点差。この試合も、後半37分まで2点差だったことを考えると、決勝トーナメント7試合のうち6試合が試合終了間際まで勝者のわからない接戦だった。

 また両国ともプール戦2位による決勝戦は史上初めて。これまでプール2位で決勝進出した事例は4回のみ、優勝は前回大会の南アフリカのみ。さらにベスト4の内3カ国がプール2位というのもワールドカップ史上2度目。下記は、プール2位の決勝進出事例。

 第2回(1991年) イングランド(準優勝)
 第6回(2007年) イングランド(準優勝)
 第7回(2011年) フランス(準優勝)
 第9回(2019年) 南アフリカ(優勝)
 第10回(2023年) 南アフリカ(優勝)
           ニュージーランド(準優勝)



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