故郷の思い出や空気を連れた過去との繋がりを持つ幼馴染を前に穏やかに揺れる〜グレタ・リー〜
ACTORS PROFILE Vol. 10
グレタ・リー
「パスト ライブス/再会」
長後の都知事が選ぶ代表作
「ロシアン・ドール:謎のタイムループ」
1983年アメリカ生まれ。故郷の思い出や空気を連れた過去との繋がりを持つ幼馴染を前に穏やかに揺れる。
ノラは韓国で生まれ、現在は夫とともにアメリカで暮らしている。ある日、彼女は幼馴染の韓国人ヘソンと再会する。幾度となく重なってきた二人の運命を前にノラの心は静かに揺れていた。
▲これまでリーは、ブロードウェイやテレビを中心に活躍してきた。「GIRLS/ガールズ」や「New Girl」、「ウェイワード・パインズ」など助演として、それぞれの世界観を支えてきた。NETFLIXのタイムリープコメディ「ロシアン・ドール」でもそうだ。運命的な夜をタイムリープする主人公の友だち役として出演。主人公がタイムリープを繰り返すうちに知らなかった側面をみせていく印象的な演技をみせていた。あとApple TV+の「ザ・モーニングショー」にも大きな役で出演し、徐々にその存在を大きくしている。
▲映画での活動はマイナーな役どころが多かったが、「パスト ライブス/再会」でいよいよ主演を張る。セリーヌ・ソン監督の自伝的要素も盛り込まれた作品かつ、リー自身も韓国にルーツがあり、演じるキャラクターに近い生活を送っていることもあり、パーソナルな演技を披露しているそうだ。メロドラマになりそうな物語ながら、監督の繊細な演出とリーのキャラクターの心情にピッタリ寄り添った演技によって穏やかで優しい息吹を吹かせている。リーの自然体な振舞いにドラマチックではない場面でも見入ってしまうだろう。ユ・テオ、ジョン・マガロとのケミストリーもかけがえのない愛しさ。
▲そうそう、今年は「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」や「スラムドッグス」にも声の出演をしている。それぞれでもユーモラスな演技をみせていて、彼女の演技の幅がよく分かる。これほどの俳優がこれまで端役ばかりだったということに、アメリカの俳優の層の厚さを実感する。
グレタ・リーの関連動画
・Variety誌恒例のACTORS ON ACTORSよりアンドリュー・スコットとの対談
・グレタ・リーのインタビュー映像
・「パスト ライブス/再会」監督とキャストのインタビュー
・「ロシアン・ドール」より。タイムリープする主人公の出方によって違う”Sweet Birthday Baby!”のセリフ
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