ジャンルを問わず作品に溶け込み、作品の魅力と厚みを倍増させる稀有な才能〜エミリー・ブラント〜
ACTORS PROFILE Vol. 4
エミリー・ブラント
「オッペンハイマー」
長後の都知事が選ぶ代表作
「クワイエット・プレイス」
1983年イギリス生まれ。ジャンルを問わず作品に溶け込み、作品の魅力と厚みを倍増させる稀有な才能。
キャサリン・オッペンハイマーは、原爆の父と呼ばれたJ・ロバート・オッペンハイマーの妻だ。キティの愛称で呼ばれた彼女の人生もまた波乱万丈だった。共産党下での活動、オッペンハイマーとの禁じられた恋、マンハッタン計画への参加...。戦後、有名人となった夫ロバートに、キティは心身がボロボロになりながらも添い遂げた。
▲その活躍ぶりから、もうとっくにオスカー候補になっていると思われているブラントだが、実は未だにオスカー候補経験はない。「プラダを着た悪魔」で、いつもピリピリしているアシスタントを演じ、ブレイクしてから17年。コスチューム劇「ヴィクトリア女王 世紀の愛」、タフなアクションスターぶりをみせた「オール・ユー・ニード・イズ・キル」、母の強さを滲ませたSF「LOOPER/ルーパー」と「クワイエット・プレイス」、一方で「イントゥ・ザ・ウッズ」と「メリー・ポピンズ リターンズ」では美しい歌声も披露。おっと「ボーダーライン」もお忘れなく。このジャンルを問わない活躍ぶりに驚くばかりだ。
▲今作は実在の人物を基にしている作品。伝記映画において主となる題材の妻の役割といえば、夫を支えたり、要の場面で震え立たせたりと相場が決まっているものだが、キティ自体が複雑な人間、そして行動の人間故に、その役割にすんなりと落ち着かないことだろう。実際、作品の重要な局面でブラントが見せ場をさらうシーンも用意されているそうだ。
▲それでも今作は、J・ロバート・オッペンハイマーこそがメイン、彼の肖像を出過ぎず霞まず盛り上げる助演演技は、ブラントほどの芸達者でなければ出来なかったことだろう。ブラント初の候補に期待。
エミリー・ブラントの関連動画
・Variery誌恒例のACTORS ON ACTORSよりアン・ハサウェイとの対談
・「オール・ユー・ニード・イズ・キル」より
・「ボーダーライン」より
・「クワイエット・プレイス」より
そろそろノミネートさせてあげてください。
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