変わりゆく日本の夏

7/12(金)
時間と共に時代は流れる。だからこそ僕たちは「歴史」を学ぶ。学んでいくことで、過ちに気づけたり、未来に活かせたりする。

この日は昼から学童のバイトだった。とある子がプールの授業の後に熱中症になったという報告があった。最近は雨続きで気温が下がっているが、その少し前は目覚ましいほどの暑さだった。近年、地球温暖化ではなく「地球沸騰化」と表現されるほど、世界は暑くなりすぎているらしい。日本も例外ではない。この気温の影響で、プールの授業ですら中止になる、体育でも外に出られない。高校野球も、午前と夕方の二部制が導入されつつある。僕がバイトしている学童でも、夏休み期間は外にも体育館にも行かないそうだ。活発な子供たちから運動の機会を奪ってしまうのは心が痛いが、熱中症という恐怖が頭をよぎる。

少し考えてみると、僕らが小学生の時代から、夏の「熱中症」「地球温暖化」なんていう問題は、いつもテレビに取りあげられていた。朝のニュースで、どんな功績を残したのかもわからない偉そうな大人たちが、カメラの前で喋る。環境問題がどうだの、健康リスクがどうだの。エアコンで涼しそうなスタジオ内で、彼らの議論は白熱していた。正直、僕は当時そんなものは見ずに弟とケーブルテレビを見ていた。そして父親に怒られて学校に行く。そんな子供だった。

最近は安全整備(ライフセーバーなど)が確保できないという観点や、資金不足の面から、海開きを行わない海水浴場が増えてきているらしい。海の家も、人件費などの諸費用の値上がりで、近年では減ってきているそう。花火も、円安の影響で資材を輸入するのが難しくなり、値上げが続いている。日本の夏の風物詩が、徐々に変わっていく。

夏は暑い。しかし、最近は暑すぎる。暑すぎるせいで、夏の風物詩を存分に楽しむことができない今の子どもたちを見ていると、胸が痛い。しかし、子どもたちはそんなことに気づかない。だって、それが「当たり前」になっていくのだから。歴史は、変わっていくことを気づかせない。気づくのは、大人だけ。

「最近の子どもは、家でゲームばかりしているから、暑さへの耐性がついていないんだ」という意見もある。まあ確かにそれはごもっともだろう。でも、大人がああだこうだ言う前に、子どもたちはもう気づいていたんじゃないかな。この異常すぎる暑さに。

もうすぐ夏休みがはじまる。もう何回目の夏なんだろう。いい思い出も、悪い思い出も、これからのことも、全部ひっくるめて夏だ。楽しみ方は人それぞれなんて言ってしまえば、もう何もかもわからなくなってしまう気がしている。「Z世代」の僕からあえて言わせていただくと、楽しければ、なんでもいいんじゃない?

無理しない程度に、夏を楽しもう。

おわり


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