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感激サプライズ シニア留学おばちゃんセブに行く その4

セブで洗濯をしてもらった衣類から、きつい洗剤の匂いがした。
現地ではそんなに気にならなかったのだけれど。
自分から漂ってくる匂いに、私は日本に帰って来たのだと感じた。

先生達の前での最後のスピーチを終え、長かったような短かったようなセブ留学が終わった。

今や英語を学ぶ環境は大きく変わり、なにも高いお金を払いわざわざ海外に行かなくても、オンラインレッスンやAI先生で充分な時代なのかも知れない。
そして何よりも綺麗で便利な日本は、やはり住みやすく良い国だと思う。
しかし外に出て、自分で体験してこそ気が付くことがある。

私がセブにいる間、先生の一人が結婚式を挙げその時の写真やビデオを見せてもらった。
フィリピンは90%以上がキリスト教徒の国。
教会での厳粛な雰囲気の中で、涙し旦那様の元へ歩く彼女のウエディング姿はとても美しかった。
その後の披露宴は、何たって陽気な国の人達だ。
バイキングスタイルでお祝いのフィリピン料理が振る舞われ、ご両親も満面の笑みで、歌えや踊れやの大賑わい。
お料理を食べ終えたら、適当にみんなが帰ってしまうのも何だかフィリピンらしい。

もはや私の英語のレッスンは、イケメン彼氏との出会いから始まり、家族との関係や別れ話し、そしてプロポーズ、やがて結婚と彼女の話が止まらない。
でも何だか私はそれがとても嬉しくて、左指に光る結婚指輪の彼女の幸せそうな笑顔に、心からおめでとうが言えた気がする。
私はこのレッスンが一番心に残り、これはオンラインでは絶対できないレッスンだったと感じた。
英語を話すとはこういう事だと思う。

「あなたはなぜ英語を勉強しているの?」必ず聞かれる質問だ。
私は英語は気持ちを伝えるための、異なる文化の相手を理解するための手段なのだと思う。
たとえ文法が間違っていようと、簡単な単語で簡単な文章で伝えられたらそれでいいのだと思う。
もちろんネイティブスピーカーと対等に、スラスラと難しい話が出来るのは理想ではあるのだけれど。

最終日、担任だった5人の先生がカーペンターズのTop of the worldを歌い、手作りの紙の花束にホールケーキのサプライズを用意してくれていた。
私がいつもセブンイレブンでコーヒーを飲んでいたのを知っていたのだろう。
花束にはメッセージと、なんとインスタントコーヒーがたくさん貼り付けられていたのにはびっくり。
思わず笑ってしまった。
ケーキは激甘だったけれど、紙の花束はスーツケースの中でつぶれてしまったけれど、その素直な気持ちがとても嬉しくて、私の忘れられない思い出。

しかしあの時、私は気の利いた英語が何も出てこなかったのだ。
もっともっと感激を伝えたかったのに。
どうやら終わりが見えない目標はこれからも続きそうで、まだまだ先は遠そうだ。

今は頑張った自分の勇気を褒め、元気で過ごすことが出来た自分の体に感謝。
ただいま!
無事に日本に帰って来ました。


激甘チョコレートケーキ
みんなで突いて食べました

お茶にしましょう
温かいお茶が優しい
まだまだ寒い日本
心暖かくありますように

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