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TOPPANホールディングス

個人的にTOPPANホールディングスに注目しており、最近のニュースを取り上げる。一度本社に行ったことがあるが、印刷だけでなく何でも積極的に取り組んでいるといったアグレッシブな社風を感じた。今後のさらなる成長が楽しみである。

TOPPANが社内転職サイト

TOPPANホールディングス(旧凸版印刷)は、社員が部署間で異動を希望する際に利用できる社内公募サイトを4月に立ち上げます。この新しい取り組みは、約50の成長事業職種を対象に始まり、人材の適正な配置と離職防止を目的としています。社員はサイトを通じて希望する職種に応募し、書類審査と面接を経て異動が決定します。このシステムは、人事部門の介入なしに、事業会社間の異動も可能にするもので、約13,000人の社員が対象です。TOPPANホールディングスは、印刷、包装材、デジタルサービス、半導体部材といった幅広い事業を展開しており、新制度を通じて特にデジタルサービスや海外の包装材事業などの成長事業への人材配置を容易にすることを目指しています。これにより、社員が希望するキャリアパスを選択しやすくなり、優秀な人材の流出を防ぐことが期待されています。従来の社内公募制度はあまり利用されていませんでしたが、この新制度により、公募による異動を年間1〜2件から50件程度に増やす計画です。

古紙からバイオエタノール

TOPPANホールディングスとENEOSが古紙を原料としたバイオエタノールの生産に関する実証事業を開始しました。このプロジェクトは、2030年度以降の商業化を目指しており、バイオエタノールをバイオガソリンや再生航空燃料(SAF)の原料として利用することが目的です。TOPPANの古紙から不要物質を除去する技術と、ENEOSの効率的なバイオエタノール製造技術を組み合わせることにより、2026年度にはパイロットプラントを稼働させ、1日に1〜3トンの古紙から300リットルのバイオエタノールを生産する計画です。バイオエタノールは化石燃料に比べてCO2排出量を大幅に削減できるため、特に廃棄物や木質ペレットから製造する技術の開発が進んでいる中、この取り組みは環境への影響を考慮した持続可能なエネルギー源として注目されています。

CO2回収膜のウーユー

京都市に拠点を置くOOYOOは、排ガスから二酸化炭素(CO2)を分離・回収する技術を持つ企業で、そのコスト効率の高いCO2分離膜の開発で知られています。TOPPANホールディングスとの協力により、この膜の量産を目指しています。OOYOOの技術によれば、従来の化学吸収法(1トンあたり約6000円)と比較して、大幅にコストを削減(1トンあたり約2250円)でき、熱エネルギーを使わずにCO2を分離できる点が特徴です。2025年半ばには10トンの回収能力を持つ試作品の製造を予定しています。OOYOOは住友化学やGSユアサとも連携し、製品開発を進めており、TOPPANとの協業により膜の量産化に向けた技術開発を加速させます。現在は資金調達を行っておらず、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の基金を活用して開発を進めている段階ですが、事業拡大に向けた資金調達も検討しています。

半導体の回路原版 米IBMと共同開発

TOPPANホールディングス(旧凸版印刷)は、米国IBMと共同で、次世代半導体の製造に必要な回路原版である「フォトマスク」の開発を進めています。このフォトマスクは、2ナノメートル(ナノは10億分の1メートル)の回路線幅を持つ半導体製造に使用され、2026年の量産開始を目指しています。この技術は、先端半導体の国内生産を目指すラピダスに供給される見込みです。開発作業は、IBMのアルバニー・ナノテク・コンプレックス(ニューヨーク州)とTOPPANのトッパンフォトマスク朝霞工場(埼玉県新座市)での連携により、今後5年間で進められます。フォトマスクは、シリコンウエハー上に回路を形成するための露光工程で使用される重要なツールです。これにより、極端紫外線(EUV)露光装置を使った先端半導体の生産が可能になります。現在、3ナノメートル製品が最先端とされており、台湾のTSMCと韓国のサムスン電子のみが量産しています。ラピダスは2027年からの2ナノメートル製品の量産を目指しており、IBMから設計技術を供与される予定です。

東南アでリサイクル供給網

TOPPANホールディングスはインドネシアに新しい工場を建設し、2025年度に稼働させることを計画しています。この工場では、再生しやすい包装材を中心に生産し、東南アジア地域でのリサイクル供給網を構築します。この地域ではリサイクルに適した包装材が珍しく、TOPPANは環境保護を重視する日用品メーカーの進出に対応するために、早期に供給網を整えることを目指しています。新工場では、異なる素材を組み合わせた包装材だけでなく、ポリプロピレンやポリエチレンなど同じ種類のプラスチックを使用した包装材の生産も可能になります。これは、東南アジアでのプラスチック廃棄物問題への対応と、より環境負荷の低いリサイクル可能な包装材への需要の高まりに応えるものです。将来的には、再生プラスチックからの包装材生産も検討しており、インドネシアを含む東南アジア地域での経済成長と環境意識の高まりに対応する計画です。

株価と業績

日経新聞の図引用
日経新聞の図引用

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