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教習所の学科試験に最速で合格するコツ!元教習指導員が監修する必見情報

こんにちは、指定自動車教習所で15年間働いていたLIVELAです。

某県内にてほぼ最下位だった学科試験合格率を2位まで上げた実績があります!残念ながら学科試験に合格するためには勉強が必要なのは事実です。寝ているだけで記憶ができるような夢のような話はありません。だけど勉強の仕方を工夫することによって、
労力を減らしつつ学習効果を向上させることは可能です。

例えば学科教習におけるマーカー引き。指導員が「ここは大切なところだから覚えておいて下さいね」という感じで教科書にマーカーを引くことを促す場面はよくあると思います。しかしながら個人的な経験則に基づくとこのマーカー引きはあまりオススメできません。

標識に関しても教科書に記載されているすべてを覚える必要はありません。厳密に言えば覚えられるに越したことはないですが、正直なところ標識に描かれているイラストを見ればなんとなく意味が分かるように配慮されています。標識に「㊿」と書いてあれば速度が関係するんだなとイメージできるはずです。

今回は教習所に通っているけど勉強がうまくいかない最短で卒業したい勉強をする時間があまりないといった人向けに監修したものです。




実は労力の割には学習効果の薄い勉強法

・マーカー引きが重要ではない理由

教習所の学科教習においてマーカー引きをオススメしない理由は大きく2つあります。それは「マーカーを引いただけで満足してしまうこと」、そして「マーカーを引いた箇所がテストに出るわけではない」ということです。もっと言ってしまえばマーカーを引くだけの授業になっていないでしょうか?

おそらく多くの指導員は覚えてほしい大切な箇所としてマーカーを引くのだと思いますが、個人的にはマーカーを引いたところだけではなく、教本に書いてある内容すべてが大切だと思っています。ですので学科教習中はマーカーを引くよりも、指導員の話を聞くことに特化して理解を進めたほうが頭に入りやすくなります。


・マーカーよりも理解が大切な理由

ここで言う理解というのは日本語力のことです。例えば「しなくてはならない」「しないほうがよい」に関しては教科書の学科試験において当たり前のように出題されます。つまり法律の解釈上、強制なのか任意なのかを理解していないと解釈そのものに誤解が生まれてしまいます。例えば以下のような問題が出題されたとします。

問「シートベルトは事故が起きた場合の被害を大幅に軽減するだけではなく、正しい運転姿勢を保つことにも繋がるので着用したほうがよい。」

実際に出題された問題

この場合、最後の文章に「したほうがよい」という表記があるので日本語的には任意になります。しかしながらシートベルトは法律上の着用義務がありますので、「しなくてはならない(強制)」が正解になります。よってこの問題の正解は「✕」となるのです。たくさん勉強をしている方ならお気づきかもしれませんが、シートベルトの着用義務には例外があります。

しかしながらあくまで例外というイレギュラー扱いになるので、基本的には強制の解釈で間違いありません。ここで言う例外とは津波から逃げるにめに、最高速度を超えて捕まるのどうかと同じくらいの扱いです。ですので「お腹が痛い」「ベルトが擦れて痛い」「圧迫されて痛い」といった内容は例外には該当しないため、シートベルトを着用しないと違反になります。


学習の効率を上げるためのテクニック

・標識の覚え方

第一段階の学科教習項目3「標識・標示などに従うこと」のページを見てみると分かりますが、ほぼ標識(以下標示も含む)の説明文のみで構成されている辞書のような側面をもっています。標識の数だけでも膨大な量が記載されているため覚えるのはかなり大変です。しかしながら標識には一定の決まり事があり、それを覚えてしまえばイラストを見ただけでもある程度の判断が可能になります。

まず標識にはがあります。とりあえずここで覚えてほしいのは赤色の「規制標識」、青色の「指示標識」、そして黄色の「警戒標識」です。

代表的な標識の色一例

そして色ごとの役割を簡潔にまとめると以下のようになります。

・赤色の標識 → するな
・青色の標識 → して下さい
・黄色の標識 → あるよ

つまり赤色の標識は書いてある内容を「するな」、青色の標識は書いてある内容を「して下さい」、黄色の標識は書いてある内容が「あるよ」になります。前述の画像に当てはめると赤色は「Uターンをするな」、青色は「矢印の方向のみに進んで下さい」、黄色は「踏切があるよ」といったイメージになります。

例えば標識によっては同じデザインでも色だけが異なる場合があります。ここでは二段階右折の標識を例にしてみましょう。

原動機付自転車の右折方法(小回り)
原動機付自転車の右折方法(二段階)

一見複雑そうな標識ですが、色で覚えておけば簡単ですよね。赤色の標識は「原付は二段階右折をするな」、青色の標識は「原付は二段階右折をして下さい」になります。知らない土地で「あの標識なんだっけ?」という事態に陥っても色の役割さえ分かっていれば、標識に書いてあるイラストと照らし合わせてなんとなくの意味は分かるはずです。

もちろん標識の意味をしっかりと覚えておくことに越したことはありませんが、万が一の場合(該当する標識の意味を忘れてしまった場合など)にパニックにならないような準備(標識の見方)も重要な要素だと考えています。


・問題集はひとつで十分

学科試験対策における問題集はひとつだけで十分です。何個も買い集めて勉強をするようなシリーズものではありません。基本的には教習所で入所時に配布されている問題集さえあれば大丈夫です。もし教習所で配られなかった場合はなるべく問題数の多い練習問題を選んで購入するようにしましょう。

ようするに学科試験対策は問題集ありきです。教科書がなくても問題集を強引に勉強することで合格は可能ですが、逆に問題集がなくて教科書だけで合格するのは至難の業です。イメージ的には六法全書を購入して宅地建物取引士の資格を取るようなものなので、出題傾向をまとめた問題集がないことにはかなり遠回りをして資格を取得することになります。


・青信号は「すすめ」赤信号は「とまれ」ではない

多くの人が勘違いしている要素ですが、青信号はすすめでもなければ赤信号はとまれでもありません。これもさきほどの強制か任意かの違いが影響してくるのですが、「すすめ」という意味も「とまれ」という意味も日本語上では強制になります。ですので本来の青信号と赤信号の意味は以下の通りです。オマケで黄色信号も記載しておきます。

①青色の灯火 → すすむことができる
②赤色の灯火 → 停止線を越えてすすむことができない
③黄色の灯火 → 赤色の灯火と同じ(停止線に近づいていて安全に停止できない場合は通過できる)

青信号の本来の意味は「すすむことができる(任意)」です。つまり交差点の先が車で詰まっていたり、安全に進めるような状況ではない場合(道路の陥没や事故など)は進まなくてもよいことを意味します。分かりやすい状況で例えるなら青信号であっても進めない渋滞中が該当します。これが「すすめ(強制)」の場合だと状況に関係なく進む必要があるため前の車(障害物)にぶつかってしまいます。

赤信号の場合も「とまれ(強制)」であれば赤信号を見た瞬間に止まる必要があります。それが500m先であろうと他に車がいなかろうとその場で止まらなくてはいけないという日本語です。しかし実際は停止線まで進んでその手前で止まりますよね。ですから本来の赤信号の意味は「停止線を越えてすすむことができない(停止線までは進める)」になるのです。

止まれの標識

ちなみに一時停止は「止まれ」なので状況に関係なく強制的に止まる必要があります。


学科試験を最短で合格させる唯一の方法

・教習所における学科試験

教習所では以下のような手順で学科試験を受けることになります(一部例外あり)。

①第一段階学科教習修了後に受ける効果測定 → 50問(2点✕50問)
②第一段階効果測定合格及び技能検定合格後に受ける仮免学科試験 → 50問(2点✕50問)
③第ニ段階学科教習修了後に受ける効果測定 → 95問(1点✕90問・イラスト問題2点✕5問)
④第ニ段階効果測定合格及び技能検定合格後に免許センターで受ける本試験 → 95問(1点✕90問・イラスト問題2点✕5問)

→→→本試験合格後、免許証交付

学科試験はいずれも90点以上を取らないと合格できません(法律で定められている)。気をつけたいのは免許センターの本試験を受験するためには教習所の卒業証明書が必要になることです。この卒業証明書の期限は1年間です。これを過ぎてしまうとまた最初から教習所に通うことになるため、必ず試験対策を行ってから本試験に挑むようにしましょう。


・最短で学科試験合格を目指すコツ

とにかく問題集を解くことが大切です。学科教本の内容が頭に入っていなくても構わないので問題集をひたすら進めて下さい。問題集に直接解答を書いてしまうと次に使うときに支障が出るため、出来れば別にノートを用意してそこに答えを書くようにしたほうが良いと思います。

【問題集の使い方(第一段階・第二段階共通)】

①とりあえず問題集を最後まで解く(分からない問題にはチェックをつけておく)
②自分で採点をする(おそらく最初は30点とか絶望的な点数を取る人もいるかと思います)
③分からなかった問題は学科教本で必ず確認をする
④再度同じ問題集を解く
⑤これを95点以上取れるまで無限ループ

なぜ合格点数の90点ではなく95点なのかというと、90点を目指して試験を受けるとなぜか84点とか86点という微妙な点数で落ちてしまう確率が高いからです。しかし目標点数を高くしておけば、それより低い90点はあくまで通過点でしかないため合格点を取りやすくなります。

100点を目指していた人が94点で合格するとショックを受けてしまうのと同じ原理…かもしれません。

学科試験対策を最優先に考えるのならメインを問題集サブを学科教本(辞書代わり)にするということは常に念頭に入れておいて下さい。とりわけ分からなかった問題にはチェックをつけ、あとで教科書で確認するというプロセスを必ず行うようにしましょう。これをやらないと勘で答えた問題は今後間違える可能性がめちゃくちゃ高いからです。


・第二段階のイラスト問題は性質が違う

第二段階の効果測定も含め、本試験において非常に厄介なものがイラスト問題です。これは1問につき3項目答える必要があり、1つでも間違えると2点が引かれます。つまりイラスト問題をすべて間違えてしまうと合計10点になってしまうため、残り1つでも解答を間違えてしまえば不合格になってしまうのです。

このイラスト問題が厄介な側面はもうひとつあり、それは「教科書の答え方が通用しない場合がある」というものです。例えば以下のような問題が出題されたとします。

問「バイクで走行中、目の前に濡れた落ち葉があったので減速した。」

実際に出題された問題

いかがでしょうか?

教科書的な答え方をすると「濡れた落ち葉があった場合は減速しなければならない」という法律が存在しないため解答は「✕」になります。

しかしながら答えは「◯」です。イラスト問題の場合は「誰かに聞かれた場合、より安全なほうはどちらなの?」といったニュアンスで質問されています。減速しないよりは減速したほうが安全ですよね。つまり法律の解釈というよりはそのシチュエーションに合わせたベストな解答を選ぶ必要があるのがイラスト問題です。


その他伝えておきたい情報

・学科試験の合格率は都道府県で変わる

本試験で使用される問題用紙は各都道府県の公安委員会が製作しているため、必然的に難易度も異なってきます。とりわけ埼玉県と愛知県に至ってはトップクラスで難しいとされており、一方で東京都や鳥取県の本試験は相対的に難易度が低いとされています。私は東京都の免許センターで本試験を受けましたが、問題のほとんどはモラルで考えれば簡単に答えられるものばかりでした。

ちなみに本試験の問題には「製作している都道府県の土地柄」に影響されている可能性があり、高齢化が激しい地域では高齢者関連の問題、速度違反による死亡事故が多い地域では速度関連の問題が多くなるといった印象を受けます。しかしながら学科教本に記載されている法規については全国共通のものなので、合宿免許などで違う地域で教習を受けていたとしても大きな問題になるわけではありません。


・学科試験の合格率をあてにしてはならない

教習所の学科試験に限った話ではありませんが、世の中にある多くの試験において合格率ほど当てにならないものはありません。これは試験に合格できるかどうかの最大要因は本人の力量に対する割合が大きく、合格率80%であってもまったく勉強をしなければ限りなく0%にまで下げることも可能だからです。

つまり合格率は自分で決めるものであり、しっかりと対策をして勉強をしていれば100%に、何もしなければ20%にと調整ができてしまいます。免許センターに関しても何度も訪れたくなるようなアミューズメントパークではないので、なるべく一回で合格できるよう最善を尽くすことが大切です。


・卒業証明書の1年間は意外と短い

自動車教習所に勤めていると年に数回の割合で「卒業証明書の期限が切れてしまったのですがどうしたらいいですか?」といった相談に出くわすことがあります。残念ながら相談されても法律で決まっていることなのでこちらでは何もできません。期限が切れてしまうとこれまで修了してきたすべての教習や検定が無効になるので、またゼロから教習所に通いなおす必要があります。

卒業証明書の期限は1年間もあるのに、なぜこのような事態が発生してしまうのでしょうか。私の経験上、以下の3つが大きな要因として考えられます。

①仕事が忙しくて免許センターに行く暇がなかった
②一度受けたが落ちてしまい再度免許センターに行くのが億劫になった
③単に忘れていた

とりわけ②の「一度受けたが落ちてしまい再度免許センターに行くのが億劫になった」という動機がかなり目立ちます。何かと行かない理由をつけては遠回しにしてきた結果、気づけば合格証明書の期限が切れていた………なんてことは実際に多々あるのです。そもそも教習所の効果測定が合格できるレベルであれば本試験も合格できる水準にまで知識があることを意味します。

しかしながら人間は忘却をする動物………教習所を卒業後、なるべく時間を空けずに免許センターに行くことをできる限り意識しておきましょう。

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