狙うは「富裕旅行者」。渡航規制緩和後のインバウンド対策のポイントは?
外国人訪日旅行客(インバウンド)の渡航規制緩和は目前。観光庁はいわゆる「富裕旅行者」の誘致を強化する方針を示しており、自治体や観光業の方も今のうちから受け入れ対策を始めるのが得策と言えるでしょう。
観光庁が令和2年10月~令和3年3月までに計5回開催した「上質なインバウンド観光サービス創出に向けた観光戦略検討委員会」の報告書から、今後のインバウンド対策のポイントを探りましょう。
観光庁が「富裕旅行者」の滞在促進を進めているワケは?
観光庁は、2030年に訪日外国人旅行者数6,000万人、訪日外国人旅行消費額15兆円の目標を掲げています。旅行消費額の高い目標達成に向けて注目されるのが、富裕旅行者です。
富裕旅行者の定義は明確にされていませんが、金融市場では『総資産100万米ドル以上保有する層』を富裕層と定義しているため、JNTO(日本政府観光局)ではこの層の旅行を「富裕旅行」と呼んでいます。
訪日富裕旅行者数は、訪日旅行者全体の中ではまだ少ないものの、世界の富裕旅行市場の成長が予想されており、今後より多くの富裕旅行者を日本に誘致する余地が大きくなっています。また、訪日富裕旅行者は、一般の訪日旅行者の10倍以上の消費(平均200万円超)をしており、1,000万円以上消費する方も一定数確認できています。
富裕旅行先としての日本の魅力
①独自の伝統、文化と自然、食、都市、季節感など多彩な魅力
特に、欧米からの富裕旅行者にとって、根本的に異なる日本文化を体験することが最大の魅力となっています。
クレジットカードの利用分析でも、一部の欧米の旅行者の中には、アクティビティを手配するDMCへの高額な支出が見られます。
②ショッピングを安心して楽しめる環境
特にアジアの富裕旅行者にニーズがあり、貴金属、時計、高級ブランド品などのショッピングが求められます。
日本で発行された保証書に高い信頼感があるなど、安心してショッピングを楽しめる環境が高く評価されています。
③医療、アート、スノーリゾートへの高い関心
特に、中国、ベトナムを中心に医療への高額な支出をする富裕旅行者が確認されています。
中国、米国からの富裕旅行者はアートへの関心も高く、高額な骨董品や美術品などを購入するケースも。
国・地域別の都道府県来訪率を見ると、香港、シンガポール、タイ、マレーシアは北海道を始めとするスノーリゾートへのニーズが高いことも分かっています。
富裕旅行先としての日本の課題
主に以下の6点が挙げられます。
① 地方部をはじめ上質な宿泊施設の開発促進
② 富裕旅行者の関心に沿う観光コンテンツの造成
③ プライベートジェットやスーパーヨットの利用、入国手続きなど、シームレスで快適な移動
④ 優先予約や貸切対応、プライベート対応など、サービスの多様性、柔軟性
⑤ 富裕旅行業界のプロ人材育成と富裕旅行産業エコシステムの形成
⑥ 積極的な富裕旅行誘致:日本の強みである文化を核としたブランディングと情報発信の強化
なお、欧米豪市場に加え、今後も成長が見込めるアジア市場、中東市場等にもプロモーション対象を拡大し、富裕旅行者の特性やニーズを分析したうえで、地域ごとに戦略を分けて的確なプロモーションを実施することを提言しています。
莫大な消費額が見込める富裕旅行者対策は、早ければ早いほど吉。
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