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ニセコでの新婚生活 〜夫編〜

どうも、荷台の夫 しうんです。

荷台の夫となって
早3ヶ月が経とうとしている。

結婚した2日後には、
フェリーで海を越えて北海道ニセコに渡り、
北の国で過ごした新婚生活を日記的なnoteにして今日は書いてみようと思う。

荷台の暮らしからアパート暮らしへ

動くタイニーハウス「tarutarugo」

軽トラキャンパーと呼ばれる軽トラの荷台で一畳わずかの空間に住まうという、これまでの人生で一番小さな家で一昨年に半年ほど居候で荷台の暮らしを送ってきた。

その間に、自分の1トントラックを買い、その荷台にモバイルハウス(動く家)をコツコツと手作りで完成させたのは去年の夏の終わりごろ。それから、急遽結婚することが決まって、変わり者の独り身から荷台夫婦(変わり者の二人家族)となった。

シウンの動く家『ゆんゆん号』

ヒョンなご縁から民宿の宿番を兼業しながら今年一年の生活資金をスキー場で出稼ぎするために、ニセコで新婚生活を送ることに。
荷台暮らしを始める前の3年間は国内外を旅する根なし草の生活を送ってきたので、かれこれ合わせて5年はまともな家(一般的な誰かが作ってくれた住まい)に住んでなかったので、アパート暮らしはとても新鮮な体験だった。

ニセコの降りつもる雪とロッジ

ニセコで最初の2週間お世話になった寮の一室

ニセコは日本の中でも異様なほどバブルになっていて、日本らしくない場所だ。というのも、街を歩いていて日本人を見るのは稀で、地元の人以外ほとんどは外国人の観光客で埋め尽くされている。そのため日本にいながら、まるで海外に来ているような感覚で、スキー場のスキースクールで相手にするお客さんもアジア圏が多く、その中でもやはり中国人は多かった。

アパートの寮は家電と必要最低限のものが置いてある生活に必要なインフラの整った必要最低限ながらも便利な暮らしだ。

荷台の暮らしでは、まず電気は屋根のソーラーパネルで自家発電しバッテリーに溜めた分しか電気は使えない。そのため余計な家電を省いていくと、残ったのは手元のスマホだけ。あとは夜の灯りと12vで炊ける炊飯器を使うくらいで限られた電気を有効活用している。スマホがあれば特にテレビは必要ないし、電気ケトルやトースターなんかはかなり電気を食うためカセットコンロで代用できる。

荷台という限られた空間と資源の中で暮らすには創意工夫が欠かせない。でも本来、地球は一つで有限であるというのが真実。だから、人間の暮らしは完璧な便利を追い求めるべきではなく、ある程度の不便をいかに楽しむ心のゆとりを持つ方が大事なことだと切に思う。手作りの住まいは、自分の頭で考えて試行錯誤できるのが楽しいのだ。そんな工夫を凝らす足るを知る暮らしに慣れているから、アパートでもテレビは夜見るけど、その他の余計な家電は結局使わずに事足りたのだった。

アパート暮らしから民泊暮らしへ

最初の2週間で仕事先の寮を出て、知り合いの民宿へと移り住んだ。普段からなるべく持たない(所有しない)暮らしをしてるので、荷物は少なく引っ越しには片づけから掃除あわせて1時間ほどで済んだ。

民宿は仕事場のスキー場から車で15分ほど離れた場所にあって、民泊の一階の一部屋に住みながら宿番として滞在させてもらった。
一階には共用のキッチン、トイレ、洗面所と小さなお風呂があって、二階には二部屋の個室があり、民宿としてお客さんが泊まれるようになっている。

この民宿は、いま流行りのairbnbというwebサービスで運営していて、日本が誇る世界最高峰のパウダースノー(別名“ジャパウ”)を追い求めて、世界中からスキーヤーとスノボーダーがニセコまでやって来る。
実際、民泊に泊まりにきたお客さんを国別で挙げてみると「アメリカ,カナダ,オーストラリア,スウェーデン,スイス,ドイツ,イタリア,香港」と家にいながらグローバルそのもので、日本人のゲストはシーズン通してわずか1組だけだった。

民泊のゲストさんと手巻き寿司パーティー

ニセコでの民泊がおもしろいのは、家にいながらにして世界中からお客さんが泊まりに来てくれて異文化交流を楽しみつつ、世界各国にお友達ができることだ。また副業としても優れている。なんせホテルとは違い、民泊ではご飯を提供する必要がなくほどよいサービスで、ゲストさんとお友達みたいに親しくできるから気楽でいい。またロングステイのゲストさんが多く、一家屋根の下での共同生活は、それほどホストとゲストの間に垣根がない。お客さんは過剰なサービスより、体験として古民家や日本の文化、食に触れられる庶民感の方が喜ばれる。

民宿を冬季ワンシーズン任されてairbnbで運営した経験は、今後の荷台夫婦の活動にも活かせるスキルになったことは嬉しい。
これから春を迎えたら、わたしたち夫婦は自分たちの新天地となる土地を見つけるために日本各地へとキャンパー旅に出かける。いいご縁で場所が決まれば、airbnbを使って民泊や飲食、体験型のイベントやワークショップなどを自分たちの一つの生業にしていきたいと考えている。

まとめ

今年ニセコでは例年に比べて300%ほどもの豪雪が降り積もり、過去数十年の中でも例を見ない"降る当たり年"だったみたいだ。

正直なところ、もうわざわざ寒さが厳しい真冬の北海道にあえて行こうとは思わないだろう。なんせ出かけるのも住むのも一苦労で、冬の間に野菜を採ることはできないし、移動や暖房の燃料代もばかにならない。

それならば住所不定のモバイルハウスで移動可能な暮らしを送るわたしたち夫婦にとっては、冬は渡り鳥のようにあったかい沖縄ら辺で暮らしたいなと、厳冬期の北の国に渡ってみてそう強く思うのであった。


生きる実験はつづく🕊