組織の在り方を考える際、いわゆるバックキャスティングの方法として、ミッション・ビジョン・バリューで整理することがある。
各項目に何をあてはめるのか実例を調べているうちに以下の記事を見つけた。
因果の時系列について「VALUE → VISION → MISSION ではなく、VALUE → MISSION → VISION ではないか?」という指摘がされている。(加えて、後者を VMV と呼んでいる。)
一理ありそうなので、逆になぜ MVV が一般的なのか整理したい。
解釈
自分の場合、MVV で整理する場合は以下の認識で整合性がとれると感じた。
MISSION 社会像
VISION 会社像
VALUE 社員像
一般的に VISION → MISSION の順番になっている理由は、「VISION が示すものが『状態』や『過程』であり、逐次環境の変化に適応させる必要がある一方、MISSION は(可能な限り)ブレない軸として取り組む『対象』『目標』である」というような解釈を採用しているからだと思われる。
正直、単語だけ見れば VISION と MISSION は入れ替え可能にも思える。しかし、特に「状態」や「過程」を示す言葉としては MISSION よりも VISION が適切だと判断されやすいのだとも考えられる(MISSION がコロコロ変わると困るので)。
参考
MVVの例)デジタル庁
MISSION 誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化を
VISION 優しいサービスのつくり手へ。大胆に革新していく行政へ。
VALUE 一人ひとりのために/常に目的を問い/あらゆる立場を超えて/成果への挑戦を続けます
source: https://www.digital.go.jp/about/organization
VMVの例)グッドパッチ
source: https://goodpatch.com/company/culture
※グッドパッチの場合は、
とはっきり定義している。
ちなみに
実は MVV モデルの出典は不明らしい。
cf.
関連著書(著者がドラッカー本人ではない場合も含む)のなかにあるそれらしい記述に準じると、VMV モデルのほうが元々の形に近く、社内外の色々な力学が働いた結果、多くの場面では MVV のかたちが支持されるようになった、と考えておくのが良さそう。
VALUE の捉え方も、現場で揉まれた結果として変化したものと考えることができそう。
ミッションを決める際は、いわゆる「求められていること・できること・したいこと」の積集合になるようにすると良さそう。
そのほか注意点:
結論
MVV でも VMV でも良い。
追記(2023-12-30)
MVV の要素は必要かもしれないが、MVV のフォーマットにする必要はない。