nizimaクリエイター紹介# 山梨音也さん
こんにちは、Live2D noteです。
今回はLive2D公式マーケット「nizima」で2か月に一度定期開催している「にじコン」からにじコン28最優秀賞受賞クリエイターをご紹介します。
ご紹介するクリエイターの方をお手本にしながら、ぜひみなさんもにじコン応募にチャレンジしてみてください。
▼にじコン28 ~テーマ「なんでもOK!」~の受賞作品一覧▼
今回ご紹介するのは 山梨音也 さんです。
プロフィール
お名前:山梨音也
ご職業:Live2Dモデラ―、イラストレーター
得意なジャンル:VTuberモデリング全般
制作環境:Live2D Cubism Editor、CLIP STUDIO PAINT
nizima:https://nizima.com/Profile/26774
X(旧Twitter):@Yamanashi_Otoya
―にじコン28最優秀賞受賞おめでとうございます!
まずは自己紹介と今回の受賞の感想をお願いします。
みなさま初めまして。
Live2Dモデラー兼イラストレーターの山梨音也と申します。
6年ほど前より法人所属VTuberのLive2Dモデラーとしてお仕事をさせていただいておりまして、現在は企業のLive2Dモデラーチームのリーダー兼事業部長を務めさせていただいております。
個人のLive2Dモデラーとしては2年ほど前から活動をさせていただいておりまして、本業に支障のない範囲でご依頼も受け付けております。
今回の受賞につきましては、最優秀賞を頂き大変光栄です。
にじコンでの最優秀賞はVTuberモデリングを行うひとりのLive2Dモデラーとして、一つの目標でもあったため大変うれしく思います。
―今回にじコンに応募したきっかけは何でしたか?
前回出品させていただいた作品もにじコンに応募させていただいたのですが、その際には惜しくも最優秀賞に届かず悔しい思いをしたのがきっかけです。
―電子妖精というテーマはオリジナリティがあって面白いですね!
どのように作品のテーマを決定されましたか?
今回のキャラクターについてはデザインを詰めていく過程でコンセプトが出来上がっていきました。
近年の個人で制作されているVTuberモデリングの傾向として、全体的なモデルの精度以上に揺れものの華やかな揺れが重視されているのを私は感じていたので、揺れを大胆につけやすいイラストを用意する必要があると考えました。
そして、まずは「バストアップ状態で目立つ揺れもの(ツインテール関連パーツ)」、「シルエットを形作る揺れもの(今回は大きな花弁のような装飾)」を付けようということを決め、そこから発想を発展させて作画が比較的得意なSF要素を盛り込み、最終的に「電子妖精」が出来上がりました。
―ご自身で決められたテーマの世界観を表現するために工夫したことや、意識した点などありますか?
揺れはとにかく大振りにつけることを意識して制作していました。
また細かなギミックで言うと、羽の着脱切り替えの際に一瞬だけキャラクターモチーフの模様が浮かび上がるようになっていて、SF感の補強につながっていると思います。
―受賞作品の豊かな表情は、どのシーンを切り取ってもイラストとしての完成度が高く、お顔以外にも細部のモデリングまで丁寧に制作されていて素晴らしい作品ですね!
制作の中で特に難しいと感じた部分はありましたか?
また、それをどのように乗り越えましたか?
股関節箇所の調整は非常に大変に感じました。
本モデルには胴体の可動パラメータが「体X(横向きの動き)」「体Y(前かがみ・のけぞりの動き」「体Y2(脚の軽微な屈伸の動き)」「体Z(傾きの動き)」の4つ存在するのですが、
そのすべての入力に対して対応するため、実に81通りの制御を手動で行う必要がありました。
当然その数の制御を行うとバグが起きる可能性が高いので、友人にデバッグを依頼して形状の破綻を洗い出してすべて潰すという形で対処いたしました。
―受賞作品はイラストが活かされた立体感のあるモデルでした!
特に覗き込みのモーションはかわいさが破綻なく調整されていて技術の高さがうかがえました。
それぞれのモーションや表情をつけるために制作で気を付けた点はありますか?
これは今回のモデルに限らず常に気を付けていることでもあるのですが、「モデルがどの状態で静止したとしてもイラスト的に破綻がないモデルを目指す」ということを常に意識しています。
Live2Dモデリングというものはイラストの技術と非常に密接に関係しているものととらえているため、美術解剖学的視点やイラストとして見栄えの良い見せ方などの知識は積極的に取り入れるようにいたしました。
―受賞作品アイデアの着想から作品完成までどれくらいかかりましたか?
また、制作の中でより力を入れて制作した部分があれば教えてください。
期間としては1年半ほどかかってしまったのですが、実稼働日数ですと2か月ほどでデザイン~モデリングまで完成いたしました。
制作の中で特に力を注いだ箇所は胴体の動きです。
可動域を担保した上で限りなく破綻を0に近づける作業は地道で時間がかかり、かつあまり評価がされづらい箇所ではありつつも、製品として送り出すものとしてはどうしても拘り抜きたいという気持ちがあったため、今回その点も評価いただけて嬉しく思っております。
ー今後Live2D社に期待する機能や、サービスなどはありますか?
粗雑なフラッシュアイデアなので恐縮ですが、nizima上でLive2Dモデルの作品をオークション形式で出せたら面白そうだなと思ったりしました。
―今後挑戦したいことや目標を教えてください。
「ポリゴンポラリス」という個人のLive2Dモデラーチームも組織しているので、そちらのチームからも作品を沢山出していきたいと思っています。
また、個人的にはLive2Dを使ったVTuber文化の成長に貢献したいと思っていて、Live2Dモデリングの監修や指導にも興味があるので、そういったお仕事も取り組んでいきたいです。
―最後に、これからにじコンに応募される方に応援メッセージをお願いします!
にじコンは定期的かつ比較的頻度が高く開催されているコンテストで応募もしやすいので、Live2Dモデリングに携わっている方はぜひとも積極的に挑戦してみてほしいです。
より多くのモデラーが切磋琢磨し腕前を鍛え上げ、nizimaの市場がより良い作品であふれることが私としても本望です。
私が最優秀賞を狙うにあたって大事だと感じる点は、「基礎的なモデリング能力」「今現在市場(およびコンテスト)で求められていることへの理解」「他の人より抜きん出た得意分野や発想」の3点だと思います。
ですので、
・基礎を「Live2D」「美術解剖学」「イラスト」の3つの視点から詰め切り、精度を上げる。
・今流行して多くの人に受け入れられているモデリングをよく観察し、研究し、自身のモデルで再現する。
・興味のある表現や、既に得意な分野を一切の妥協をせずしっかりと取り組み切る
の3つを意識して挑んでみると良いかもしれません。
長くなりましたが、最後まで当インタビューを読んでいただきありがとうございます。
―山梨音也さん、ありがとうございました!
nizimaではLive2Dコンテスト「にじコン」定期開催中です。
みなさんもLive2D作品を投稿してみませんか?
沢山のご応募お待ちしております!
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株式会社Live2D
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