コラボレーションとは。
あと12日となりました。
販売ブース、工芸ブース、そしてステージ23演目と聞き、無理矢理雑居ビルに押し込むような印象を受けているのではないかと思います。
クリスマス・イブイブライブ。
びっくり箱に詰め込まれたようなパフォーマンスのコラボレーションと見られるとしたら、それはその通りでしょう。
私自身も作り手であるからわかりますが、コラボレーションというものは、真剣勝負の闘いの機会だと思っています。
自分の持てる力を最大限に放出して、ようやくコラボ作品の制作に携わることができるというものです。
私は、現在、相方の曲の作詞を全曲担当しておりますが、一曲出来上がるたびにヘトヘトになります。途中で、もう無理、と思うこともあります。
傍目からは楽しくやっているように見えるかもしれませんが、決して楽しいものではありません。
その曲に最もふさわしい言葉の抽出、サビの部分にはア段、つなぎにはウ段のがいいと思えば、そこから音符の数にぴったり合う言葉を探し、そのうえで全体的に物語性を持たせなくてはなりません。
作詞と詩は別物ですから、詩の世界に音符を当てはめるようでは、メロディの特性が失われてしまいます。
音数が合っていればそれでいいというものではないのです。
そして、さらには歌い手が歌いやすい言葉でなければ、歌は沈んでしまいます。だから、毎度必死です。自分の創作の力を全て捧げないとできないのです。
先月の還暦ライブで、「曲と詞と歌い方が合っていてとてもいい曲だね、ちょっと驚いたよ」と、お客様にお褒めの言葉をいただきました。その時、肩の荷が下りた気がしました。
私はコラボレーションをしたくてしているわけではないということを申し上げておきます。
人さまに自身の創作の熱を捧げるよりももっと自分自身の作品に向き合いたいですし、それこそがクリエイターとしての本分だと思っております。
コラボレーションすること自体が目的になっては、真剣勝負の機会の意味は失われ、枠組みに嵌められてしまうような怖ささえ感じてしまい、なるべくそこには踏み込みたくないと思ってしまいます。
自分の世界を狭くしてしまうのではないかと。
しかし、その上で、きっと私が詞をつけることでこれらの曲は生かされるのだろうと思うから、やります。
誰よりも私が最も良い詞をつけられるという自信――。
それは自身の創作に対する矜持であろうとも思います。
クリスマス・イブイブライブ。
三時間半という中で繰り広げられるパフォーマーたちの力の凌ぎ合い、いずれも際立つ個性のぶつかり合いです。
普段の活動では表すことのできないものが作り上げられたとしたら、それは間違いなく他のクリエイターに影響され、自身のハードルを上げなければ為しえなかったことであり、それができたことは自信につながります。
そして、挑んだことに誇りを持てるようにもなるでしょう。
そうして初めて「楽しむ」ことができます。
だからこそ。
みんな楽しんでください――。
これが私の切なる願いです。
さて、あと12日です。
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