見出し画像

日台複数籍問題と信義則

昨日のこちら

では、ともすると「あなたの感想ですよね」などと、言われそうな部分を切り分けて、含めないようにしました。
 今日は、その「含めなかった」部分です。

信義則

有識者の論点

 学者(有識者)の主張は、どう解釈するのが妥当か?という方向から論を展開しています。
 曰く、「台湾籍」は「外国の国籍」にあたるかあたらないか? 台湾出身者の国籍の判断に「中華人民共和国の法律」を適用して考えるのか否か。
 学説・通説はどうなっているか・・・そういった視点からの議論が重要である。それはもちろんそうだろうと思います。

もっと大事な事は「役所が当事者にどう説明してきたか?」

 ですが、もっと大事で、基本的なことは、役所・当局が当事者に対して従来どのように説明してきたか?ではないかと私は思います。
 昨日の「ファクト」で示した通り、理屈はどうあれ、日本側では台湾籍を持っていても重国籍とは扱っていない、という話は、従来、法務局などで当事者に向けて説明していた内容です。その説明に沿って考えれば、なにも国籍選択義務の対象だと考える余地はなかった。
 それを、蓮舫さんの件で政治問題化したら、法務当局は政府与党に忖度してなのか、言葉を濁すようになった。それを一部マスコミや、声の大きい評論家(?)が、あたかも蓮舫さんが話をでっち上げたかのように印象操作してきた。本当にとんでもないことが起こっていると思います。
 役所の説明を聞いて、納得してそれに沿って行動していた日台複数籍側の当事者が、裏切られると言うのは、決してあってはならないこと。

 コトバンクの「禁反言則」を貼っておきます。

甲が乙のした表示を信じ、それに基づいて自己の地位を変更したときは、乙はあとになって自己の表示が真実に反していたことを理由に、それを翻すことができないという原則(言を反(ひるが)えすことを禁ずる原則)

「台湾籍を持つ日本国民」関係者が、法務局に相談し、「二重国籍扱い」あるいは「選択義務対象」に「ならない」と説明を受けていたのです。法務省や、法務局が後になって、そんなことを言っていないようにすっとぼける、というのはありえない話。
 根本的にルールを変えるなら、十分に期間をとって、予告、周知、経過措置などしっかり説明していただくのが本来の在り方でしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?