誰の心にも響かなくていい話③
街を歩くと「今の自分にないもの」と「これからもないもの」ばかりが目につく。俺が夜の散歩の好きなところは街の明かりが消えていて人とすれ違うこともないところで、理由を言語化すると“「自分にないもの」と「これからもないもの」を見る回数が少ないから”になる。
正面から来るおそらくカップルであろう二人組。歩きの女の子に合わせて男がグラグラとよろけながら自転車を漕いでいる。自分があれをすることはこれからもない。
制服を着た男女が手を繋ぎながら歩いている。自分があれをすることはこれ