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【復路の足取り】

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“僕はこういう人だから”
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2022年5月の記事一覧

本当のことなんか言う必要ないよな(雑談バナシ⓪)

この前書店に行った際に何の気なしに自己啓発本のコーナーを眺めていた時のこと。「2回目以降の会話ができない人へ」みたいな内容の本を見つけて興味本位でペラペラめくってみた。その時目に入ってきた「コミュニケーションは情報交換ではない」という言葉が頭から離れない。あの言葉の真意はなんだったのだろうか、と気が気でしょうがない。あいにく、自己啓発の類に興味はないし読んだところで僕は役に立てられる自信がないので読まない。だから、改めてあの本をネットや本屋で探すつもりも毛頭ない。 「成功する

何者でもない

「何者かになる」という探究を成し遂げた人間を俺は見たことがない。 ”俺が好きな人たちと読んだ小説の中に”というだけではあるが、見たことがない。 南海キャンディーズの山里さんは漠然と「何者かになりたかった」けど、自身は天才ではないからその差を努力で埋めようとした。モテたい気持ちや嫉妬を燃料にし芸人になった。 ピースの又吉さんは、芸人という変わり者になれば「何者かにならなくていい」と思い芸人になったが、結局は「何者かであること」を求められてしまっている。 又吉直樹さんの著作『人

『人間』

はじめにnoteを始めてから読書をするのがより楽しく感じるようになった気がする。本を読んだ感想を自発的に書くようにもなった。小学生の夏休みの「読書感想文を書くための読書」はあんなに退屈なものだったのに、「読書を楽しむための読書感想文」はこんなにも有意義なのかと思わされる。僕はそんなにたくさんの冊数を読んでいるわけではないが、「この本を読んでよかった」とこんなに思える小説に初めて出会った。 1.感情移入この本を読み始めた時は何の疑いもなく主人公の「永山」の気持ちで読んでいた。