年末に考えること

先日、三者懇談をした。ADHDをもつお子さんのお母さんと喋った。7月にも同じような懇談があったのだが、その時よりも、その子への印象も変わっており、正直にお母さんにお話した。

お母さんは、うんうん、と私の話を一生懸命聞いてくださり、最後には泣いていた。「やっぱり、この子こういう感じなので、誤解されるというか、落ち着きないとか色々言われてきたんですけど、学校でそんなふうに頑張ってることを知ってなんだか嬉しくなりました。」と言っていた。

私は、教師ってなんなんだろうと思った。

大学出たての若造が、いきなり先生と呼ばれ、無知のくせに大きい態度で児童生徒の前に立つ。年上の保護者の方々と対等もしくは目上のような感じで話し、挙句、成績という偏見丸出しの評価をつける。

きっと、その子は今までいろいろ言われてきたのだろう。悪いことってやっぱり目に付くし、保護者への連絡ももしかしたら悪いことの方が多くなる子もいるかもしれない。いいところって見つけにくいし、ましてや、落ち着きのない子は、授業を妨げるようなこともあるし、より一層いいところが見えにくくなる。

私は今までそうやって人の悪いところばかり見て判断してきたし、勝手に尾鰭をつけて噂してきた。クソ人間だ。

しかし、三者懇談が始まる1週間ほど前に、ある先生に「そんな見方しなくても、こんな良い見方もできると思うけどなぁ。」とぼやかれた。ああ、また、偏った悪い見方をして物事を捉えてしまった。もっと見方をかえなきゃ。

自分なりにクラスの子たちのためにできることを考えた。三者懇談では、私から見たその子の良さを伝え、課題は言わないことにした。そのかわり子どもにこれから頑張りたいことは?と聞き、自分で具体目標を設定させた。親の前だと緊張する。それをプラスに利用しよう。子どもたちは意外と本音で具体目標を設定した。本当は10分の懇談を全員15〜20分かけた。もちろん迷惑だったかもしれない。けど、今までやらなかった分頑張ってこの子たちと向き合おうと思った。

不登校が減った。

勉強嫌いの子が自主学習を出すようになった。

目に見える変化はこれくらい。

泣いたお母さんを見ていたはずの子は、未だにふざけてるし、遅刻してくる子はもちろん遅刻してくる。

けど、もう少し長いスパンで見てみよう。これまで培ってきた生活や考え方、性格はそう簡単に変わるもんじゃない。

自分を見つめたことで、他の人のことも見つめやすくなった一年だった。焦る気持ちよりも、今の自分にできること、目の前のやることに真摯に取り組もう。そんな気持ちでできた。


来年は自分の暮らしがガラッと変わるだろう。

慣れないことに不安を覚えることもあるかもしれないが、それ以上にこれからの未来にワクワクしている。今までのことは取り返せないけど、だからこそ、今やこれからのことをもっと考え、後悔しないように生きていこう。

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