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アメリカの絵本レジェンド、スキャリーおじさん〜Richard Scarry's Cars and Trucks
本屋 リトルスマーティーパンツ in NYC/世界の良質な厳選絵本を低価格でお手元に
リトル・スマーティ・パンツからうさぎさん(およそ0歳)コースの3月にお届けした絵本は、Cars and Trucks from A to Z by Richard Scarryです。
リチャード・スキャリーは、日本でもスキャリーおじさんで有名です。アメリカで生まれた子は必ずといって良いほど、彼の絵本を読んでいます。さて、一体このスキャリーおじさんとは何者なんでしょうか?
彼は、1919年にアメリカのボストンで生まれます。ボストンのアートスクールを出た後、世界第二次対戦のため招集されます。戦争から帰った後、リチャードはニューヨークに行き、雑誌や広告のコマーシャルアーティストとして働きます。1948年、有名な絵本会社 Little Golden Booksの挿絵の仕事につき質の良い子供のための絵本制作に没頭します。
奥さんがライターだったこともあり、自身の絵本も生涯で150冊、1億冊もの絵本が世界20カ国の言語となり広まりました。
あらすじ
車やトラックや、中には彼の人気キャラクター(みみずのローリー)が運転するアップルカーやバナナモービル、コーンカーやクレヨンカー車ならなんでも登場します。アルファベットのAからZまで愉快な車がどんどん走りすぎていく様子は、赤ちゃんも興奮状態になること間違いないでしょう。
ネイティブスピーカーが赤ちゃんに読み聞かせしている動画がありますので、下記Yotubeをご参考ください。
読み聞かせのポイントについては以下をご参考ください。
(1)発想がすごいのに、微笑んで読んであげれます。
著者のリチャードは、きっと車が大好きだったんでしょう。また彼は小さい子供を楽しませる天才です。この車の種類を見ていると普通の発想ではないことがすぐ分かります。ホットドッグカーや鉛筆カーも出てきます。アイスクリームトラックから、アイスクリームが飛んでっちゃってる様子など、なんとも「愉快」な世界観です。今回お届けした絵本は1990年出版と意外に新しいですが、彼は1959年にCars and Trucksのオリジナルと思われる絵本を書いているのです。当時の絵本では人間が主体でスクールバスやお買い物に行く車など一般的な風景です。30年後に出版したこのCars and Trucks from A to Zはユーモアが満載で愉快な動物たちが運転しています。彼のアイデアが凝縮したのでしょう。
(2)絵本のサイズ
ママにならないとこの経験は理解し難いのですが、特に1−2歳の小さな赤ちゃんと一緒に絵本を読む時はA4のサイズでは赤ちゃんは目が届きません。この絵本は本当に手のひらサイズです。ベビーカーの中に、カバンの中にいつも保管もできて赤ちゃんがぐずったら、渡してあげることができる気の利いた絵本です。そして、必ずと言っていいほど、端っこを噛んでしまいますが、それが赤ちゃんというものです。
(3)スキャリーおじさんが見せたかった世界
彼の絵本は、ストーリー性がないものも多く、イラスト絵のついた
言葉辞典とでも言うのでしょうか、この車の絵本もまさにその一つですが、ものの名前や動物、職業など世の中の色々なことを教えてくれます。1950年代、アメリカはヨーロッパと比べると若い国です。文化などもフランスのパリに比べれば当時アメリカはまだ200年足らず、2000年以上の歴史を持つパリと比べたら洗練された世界があったのだろうと思います。リチャードは結婚後、奥様とフランスやイタリアへよく旅をしています。その時の光景や出会ったものが彼の絵本の中によく出てきます。彼は、まだ絵本というものすらたくさんないアメリカで、子供達にヨーロッパの色々な文化を教えてあげたかったんだろうと予想します。
彼の絵本の名前が楽しいのですが、最後に「Ever」をつけているのです。Everという文字をつけることで、「いままでにない」という強調をすることができますが、流石広告の仕事をしていただけにマーケティングが上手だなと思いました。
Best Word Book Ever, Golden Press, 1963
Best Make-It Book Ever (paper), Random House, 1972
Funniest Storybook Ever, Random House, 1972
Best Counting Book Ever, Random House, 1975
Busiest People Ever, Random House, 1976
お子様との読み聞かせの時間がよりよいものになりますように。
Let’s read-aloud!
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