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そこに撒かれた種は小さな芽を出し、花を咲かせ、そして種を作り、 また新たな場所で命を育む。 地中に根を伸ばし大きく育った株はやがて大きくなりすぎたことで、その地ではもうこれ以上大きくなれなくて弱って株自体が枯れていく、そんなこともあれば、拠無い事情で、育ち盛りであってもそこで生きていけないということもある。 それでも一度育ったその株は、希望を失ってはいない。 では次の場所でまた花を咲かせましょう。 種を作りその未来を綿毛に託す。 歴史が繰り返される中で、<枯れてく>時代
花を撮るのが好き。 というより、枯れている花を撮るのが好き。 咲いているときより美しいと思う。 いや、咲いているときも美しいのだけれど、それはどこか他人事で。 見ているだけでいい。 私にとって写真を撮るということは心を撮るということ。 老いていく自分を枯れていく花に重ね合わせ、自分にエールを送る。 過去には戻れない。 過去を受け入れ、今も受け入れ、そして先を見つめて。 見たくないものに蓋はしない。 最後まで自分らしくナチュラルに生きられたらいいなと思う。 切り花の
記憶というものはとても曖昧で。 今のその感情もいつか消えてなくなってしまうかもしれない。 だから、シャッターを切る。 私の記憶が消えぬ間に、私は私の心を写しとめる。 そうして一時の記憶も永遠の記憶になる。 私の記憶の欠片たち