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【カラダ】膝を曲げよう!〜立ってズボンを履く〜

安全な場所を確保し、目をつむり、その場で足踏みを20回ほどしてみてください。
もし、筋力やバランスに自信のある人は、膝をしっかり持ち上げて足踏みしましょう。
目を開けて、元の位置から移動していないか確認をしてみましょう。

元の位置より前へ、後ろへ、横へ移動してしまうことはありませんでしたか?中には回転してしまう人もいます。足踏みをしている時、つま先がいつも同じ場所に戻れば移動はないはずです。

今回は、前後に移動してしまう人の話です。
前後に移動してしまう人は、元の位置よりも前か後ろに爪先を着地させます。なぜそうなるのか?
理由の一つは、「膝を曲げること」よりも「太ももを持ち上げること」の動きが優位に立っているからです。優位とは、ざっくり、動き出す順序だと思ってください。

こういった人は、膝の痛みを抱えていたり、ももを上げて足踏み(行進)すると太ももの付け根に痛みを感じたりします。そして、立ってズボンを履くことができません。


正しい「もも上げ」とはなんでしょうか?
「ももを上げる」と聞くと、太ももをとにかく持ち上げることをイメージしがちです。
しかし、正しい「もも上げ」は、膝を曲げることから始まります。

かかとの動く軌道が、まっすぐ床から垂直になります。
だから膝が曲がり、太ももが持ち上がる。

太ももを先に持ち上げると、かかとは前方へ移動します。
足を床に着地させるときに、元の位置に戻すことが困難になります。

下の動画:左は膝を曲げている足踏み。右は太ももを持ち上げて行っている足踏み。

太ももを持ち上げているだけの動作では
 ・太ももや付け根に疲れや痛みを感じる
 ・バランスが崩やすい


物理的な視点から考えてみます。
大きな振り子があり、それをブンブンと振り回します。アームが長い方が遠心力が大きくなるため、支点にかかる負担は大きくなります。

股関節を支点として同じように考えてみると、膝を伸ばしたまま脚を動かす方が股関節にかかる負担は大きくなります。膝をさっさと曲げてから太ももを動かしたほうが、股関節への負担は小さくなります。

今度、テレビなどで陸上競技が行われる時、長距離トップランナー(特に海外選手)の腕の振り方に注目をしてみてください。肘を曲げて腕を折りたたむようにして走っている選手が多くいます。これも「アーム」を短くすることで支点となる肩関節への負担を減らしています。負担を減らすということは疲れにくいちうことです。結果、腕がよく回転します(動きます)。

ももの付け根に痛みを感じている人の多くには、特に高齢者の方は、「膝を曲げない」で脚を動かしています。だから脚が重いと感じ、ももの付け根に痛みを感じているのです。

膝を曲げるなんてとても簡単のように見えますが、レイコンマ何秒の差で太ももから動き出す人はたくさんいます。


<練習>
①かかとを反対側の足に沿って上げていく。
かかとが1mmでも前に動いてはいけません。まっすぐ上です。

②それができるようになったら、一方の脚を前に出して、膝を曲げる練習。
③次に、脚を後方へ伸ばし、かかとを反対側の足(膝周辺)に素早く持ってくる練習。
④最後に、②と③を組み合わせる

歩く時に足が地面に突っかかる人は、膝を曲げる力が足りていない可能性が高いです。
先日、子犬が走る動画を見ていたら、犬たちはみんな膝(足首?)を曲げて走っていました。そうでないと転ぶので当たり前なのですが、人も同じです。


立ってズボンを履く

ここでズボンの履き方について考えてみましょう。

よく「立ってズボンが履けなくなった」という人がいます。そういった人たちがどのようにズボンを履いているかというと、膝を曲げずに太ももを持ち上げて、その先にあるつま先にズボンを持って行こうとします。
これでは、後ろにひっくり返ってしまいます。

そこで、まず膝を曲げてから太ももを軽く持ち上げて、ズボンを手間に引き寄せながら履きます。後ろにひっくり返ることはありません。

立ってズボンを履くにもたくさんの筋肉を使うので、できない理由は他にもあります。膝を曲げていないかったという自覚のある人は、安全な場所でぜひ試してみてください。


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株式会社りとるジム
カラダとココロのメンテナンス
www.littlegym.jp

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