【カラダ】膝の過伸展について〜ダンサーの膝は大丈夫なの??
流れてきたSNSを見ていたら「膝を過伸展させてはいけない。少し曲がったくらいがいい」と言った内容の動画が流れてきました。
それを見ながら、
「そうそう、そう思っていた時代が私にもあった。」
と少し懐かしくなりました。
膝の過伸展とは、一般的に、膝の関節が「まっすぐ」よりも「もっと伸びてしまう」ことを指します。立位姿勢の時に、膝がくるぶしやかかとよりも後方に位置することを「膝の過伸展」と思ってもらえたらいいと思います。
膝の過伸展はよくない、と言うのは教科書でも出てきたような記憶があります。
そんなこともあり、膝の過伸展=悪いと思いがちです。
でも…
新体操日本代表でオリンピック出場した知人がいます。彼女の膝はいつも過伸展していたので、
「大丈夫なのかな?」
「でもオリンピアンだしな。私より体のことはわかっているしな。」
「痛みないしやっぱり大丈夫なんだな…」
とずっと疑念?をいただいていました。
ダンスやスポーツを行っていない人で、膝が過伸展している人もいます。
膝が伸びない人もたくさんいます。
どちらも、膝に痛みを抱えている人もいれば、そうでない人もいます。
ただし、どちらもバランスは悪く、体幹が強い人はいません。
膝が過伸展しているプロやハイレベルの競技者に、体幹が弱いとかバランスが悪いことなどはあまりありません。それどころか体幹も強いし素晴らしいバランス力です。
「膝が過伸展するくらいなら、多少膝が曲がっているくらいがいい」は、正しいのでしょうか?
実は、「ダメな過伸展」と「OKな過伸展」があります。
膝関節の動きをざっくりと
「膝」として考える前に、二つの棒として考えてみます。
A)緑の棒と赤の棒があります。
この2本の棒をまっすぐにさせるには3通りあります。
B)緑を赤のラインに合わせる
C)赤を緑のラインに合わせる
D)緑と赤ともに 動く
緑=大腿骨(太もも) 赤=下腿の骨(スネ) と置き換えて考えてみると、⚫️は膝関節になります。
大腿骨と下腿の骨のどちらか、または両方動くことで膝の関節が動きます。(膝が曲がったり伸びたりします)
資料動画
<動画①>
<動画②>
<動画③>
ダメな過伸展
立位姿勢で、下腿(スネ)の骨が動くことで膝が過伸展になるのがダメな過伸展です。
図(ア)の中のC)がそれになります。
冒頭でも紹介しましたが、立位姿勢の時に、膝がくるぶしよりも後方に位置してしまうのはダメな過伸展です。
動画①・②・③の左側は全て悪い膝の動きです。
そして、競技者ではない膝が過伸展している人がとる動きです。
このような膝の過伸展動作では、
・ふくらはぎの筋肉がパンパンに張ってしまう
・ふくらはぎの筋肉が疲れる
・膝に痛みが生じる
・下半身に力が入りにくい
・ハムストリングス(もも裏側の筋肉)の柔軟性が低い
良いことなど一つもありません。ですが、この動作はものすごく“簡単”にできてしまう、簡単に起こってしまうと言った方が適切かも知れませんが、無意識にこのようになりがちです。
街中を歩いている人たちにも、年齢関係なくたくさん見かけます。
OKな過伸展
立位姿勢で、大腿骨(太もも)が下腿(スネ)の骨に合わせるように動くことによる膝の過伸展は何も問題はありません。
図(ア)の中のB)がこれに当たります。
プロダンサー、体操競技者などにみられる膝の過伸展はこれです。
脚力と体幹が強い証拠でもあります。
この動きをどうにか真似しようとしたのですが、残念ながら今の私にはその筋力がありませんでした…なので画像はありません…
動画①・②・③の右側は全て正しい動きです。
(ダンサーなどでない限りこの動きが正しいものとなります)
下腿(スネ)を動かさず、膝の位置をできるだけ固定し、大腿骨(太もも)をスネの真上に乗せるそんな動作になります。
これには体幹の力、筋力が必要です。
膝は過伸展する必要はないが、しっかり伸展する必要がある
私たちはダンサーのように膝が過伸展するほどの筋力は必要ありませんが、膝を曲げたまま過ごして良いわけではありません。
膝を伸ばすことができないと、
・脚力が弱いまま向上しない
・片足でバランスが悪い
・膝を痛めやすい
・太ももの付け根を痛めやすい
スポーツ競技者、芸術パフォーマーでは、
・とにかく理想の動きができない
・膝の痛みが生じやすい
・ケガをしやすい
特に高齢者は
歩行が困難になる
大腿部を動かす方が圧倒的に難しい
下腿の骨(スネ側の骨)を動かすことより、大腿骨(太もも)を動かす方が圧倒的に難しいです。
重力に対する筋力が必要になります。ヒトが二足歩行動物なので仕方のないことではあります。
要は、ダメな膝の過伸展を改善するには体幹強化が必要だということです。
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株式会社りとるジム
カラダとココロのメンテナンス
www.littlegym.jp
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