見出し画像

アフターピル悪用事例を8つ考えてみた

アフターピル(緊急避妊薬)の処方箋なしの薬局販売について、産婦人科学会長が「悪用への懸念」を理由の一つとして、反対の立場を表明したことが話題となっています。

そのことに対してTwitterでは「悪用ってなに?」といった声があがっています。私もそのことに疑問を持ちました。

アフターピルについて「悪用」があるとしたらどんな事例か、そしてそのことに対策はあるのか、考えてみました。

アフターピル悪用(?)事例8つ

①「アフターピル飲めばいいや」と考えて避妊せず男性と性行為する女性がいるかもしれない

→アフターピルはわざわざ買いにいかなきゃいけないし、副作用の可能性があるし高価なので、そのように考える女性は少ないのではないでしょうか。

「アフターピル飲めばいいや」と考えていた女性がいたとしても、飲んでみて大変さを感じたら「また今度もアフターピル飲みたいな💛」とはならないのではないでしょうか。

仮に、妊娠したくないけど事前の避妊もしたくないけど性行為したいと考える女性がいたとしても、そんな女性でも「妊娠したくない」意思を尊重するためにアフターピルがあってもいいのではないでしょうか。

避妊してくれない男性による性行為を受け入れてしまう女性がいるかもしれない

→それは「悪用」ではないですよね。アフターピルの存在が悪いのではなく、避妊なしで性行為をする男性側の問題だし、そんな男性に何回も性行為を強要される立場にある女性を救うためのアフターピルなのではないでしょうか。

③「アフターピル飲んでもらえばいいや」と避妊せず性行為をする男性がいるかもしれない

→これまでアフターピルの存在も考えず避妊なしで性行為をしようとしてくる男性が多くいたので、アフターピルの心配(?)をしてくれるだけでまだましなのではないでしょうか。

④「アフターピル飲めばいいや」と避妊しない性行為を行い、お金を稼ごうとする女性がいるかもしれない

→そもそも性行為させる企業、お金を払う客、売春に頼らなければ女性が困窮するような社会の仕組みが悪いのではないでしょうか。そして、売春に頼らざるを得ない状況にある女性が避妊してもらえなかったときにアフターピルに頼りやすくなることは、そのまま妊娠を恐れたままでいるより「まだまし」なのではないでしょうか。

⑤避妊なしの性行為を提供する性風俗やAVメーカーが一度に大量購入し働いている女性に高額で売りつけるかもしれない。

→これは実際にあった事例なので性風俗やAVメーカーのあり方(避妊せずに行為することを認めているとわかった場合は罰金、など)から変えないといけないと思っています。産婦人科学会が懸念している「悪用」も主にこのことなようです。

しかしこれはアフターピルが薬局で買えない現時点でも起こっている問題なので、薬局で売ることを規制する正当な理由になるのでしょうか。

後述しますが、女性しか買えないようにする、大量購入できないようにする、といったことで対策することができるのではないでしょうか。

⑥妊娠を望んでいる女性に性行為相手の男性が飲ませるかもしれない

→そんな人(子どもを産んでほしくないのに避妊せず性行為する人)がもし存在するとして、そんな人との子どもは最初から作らない方がいいのでは…。これはあまり考えられないケースですね。

⑦妊娠を望んでいる女性に第三者(親とか?)が飲ませるかもしれない

→そんな第三者はアフターピル関係なく離れるべきだと思います。これもほとんど考えられないケースですね。

⑧旦那は妊娠を望んで性行為したのに妻は望んでいなくてアフターピルをこっそり飲むかもしれない

→子作りは夫婦で考えるべきものなのに、女性が望んでいないのに避妊なし性行為をするのはもはやレイプなのではないでしょうか。

妻が望んでいないのに避妊なしで性行為を強要するケースは意外とあるようです。


上記のような「悪用」を防ぐ対策案7つ

アフターピルの「悪用」があるとします。では、悪用される危険があるという理由でずっとアフターピルへのハードルが高いままでいいのでしょうか?

対策案を7つ考えてみました。(自分でも賛成していない案もあります)

(1)買えるのは女性のみ

メリット:「③避妊せず性行為をする男性がいるかもしれない」、「⑤性風俗やAVメーカーが一度に大量購入し働いている女性に高額で売りつけるかもしれない」、「⑥妊娠を望んでいる女性に性行為相手の男性が飲ませるかもしれない」のような事例を防げるかもしれません。

妊娠は女性の体の問題にあるので(もちろん男女で考えて結論を出すことが理想ですが)最終的には女性に決定権があるという立場からすればこの対策はいいのではないでしょうか。

デメリット:⑤のような事例でも雇用側の女性が買いに行ったりするので完全には防げません。あと、避妊を失敗してしまって女性のために買ってあげたい善良な(?)男性の行動を止めるようなことは微妙かもしれません。(でも現時点では婦人科でしか買えないので(善良な)男性が買いにいくことなどほとんどないですよね)

(2)ネット販売禁止

メリット:薬剤師の説明なしに使うことを防ぐことができます。

デメリット:近くに薬局がない場所に住んでいる人にとってはネットで買える選択肢があった方がいいかもしれません。

※そもそも今の議論は「薬局で買えるようにすべきか?」なのでこのことは議論になっていません。そしてすでに外国からネットで購入している事例がありますが、それを完全に取りしまることはできていないようです。

(3)一度に大量に買えるようにしない

メリット:現時点でも一度に変えるのは一回分のみです。このことを再確認することで「⑤性風俗やAVメーカーが一度に大量購入し働いている女性に高額で売りつけるかもしれない」のような事例を防ぐことができるのではないでしょうか。

デメリット:女性の選択権を最大限尊重するなら、ストックとして買っておくことを認めるのはよいという見方もあるかもしれません。

(4)繰り返し購入している履歴があれば指導

メリット:アフターピルを何度も買いに来る人に対して「指導」すれば、そのような「軽々しい」行為がもしかしたら減るかもしれません。アフターピルを繰り返し「気軽に」使うようなことに対して反対するなら「指導」という手は考えられると思います。

デメリット:「軽々しく」性行為をしたのは女性(だけ)というわけではないのに、指導対象はいつも買いに来る人(主に女性)ということになってしまうと、女性がアフターピルを求めるハードルがさらにあがってしまうのではないでしょうか。

(5)その場で飲むようにする

メリット:「(1)買えるのは女性のみ」と同じようなメリットがあると思いますし、第三者の女性(AVメーカーで働く女性など)が買いに来ることもなくなると思います。

デメリット:婦人科に行くことすら躊躇してしまうのに、薬局でみんなが見ているところで飲まなければいけなくなるのは買い求めたい人にとってハードルがたかくなってしまうのではないでしょうか。

(6)性風俗、AVメーカーのあり方(避妊なしの性行為を認めるなど)を変える

メリット:お金のために避妊なしの性行為をしようとする女性が減る

デメリット:今の私には性風俗取り締まりの知識がなく方法がわかりません・・・

(7)性教育の充実
メリット:現時点では避妊方法について教えるときに「妊娠の経過(性行為)」について教えてはいけないことになっています。そのため「知識不足でアフターピルを悪用する人もいるのではないか」などと言われている状況が生まれています。妊娠の経過を教えたうえで避妊の方法を具体的に教えることで、自分で自分や相手のことを守れるようになるのではないでしょうか。

デメリット:性教育に反対する人は「寝た子は起こすな」という意識が強いそうです(本当に子どもは性に対して「寝ている」「関心がない」のでしょうか?)

ちなみに私は現時点では「(1)買えるのは女性のみ」「(6)性風俗、AVメーカーのあり方を変える」「(7)性教育の充実」に賛成しています。
「(2)ネット販売禁止」「(3)一度に大量に買えるようにしない」にも半分くらい賛成しているのですが、女性の選択肢を最大限尊重できないかと思って慎重な立場です。
「(4)繰り返し購入している履歴があれば指導」「(5)その場で飲むようにする」のような、アフターピルへのハードルが逆にあがるような対策には反対の立場です。

いかがでしたでしょうか。
私の主張に対して意見があればぜひ教えてください。

そもそもどんな時にアフターピルが必要になるのか、あまりぴんとこない人はこの記事を読んでみてください。リアルな心情や状況がわかると思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?