見出し画像

生きる糧となる「表現」だからこそ、今できることを。

「推進する勇気」と「撤退する勇気」2つの勇気を持って、正しく意識しながら一ヶ月間で取り組む「オリジナル舞台」までの道のりを綴ります。創作・演出スタッフからの寄稿です。

対面でこその「受け取る力」

2020夏の舞台に向けて動き出そうとした矢先のコロナ禍……

ずっとオンラインで、意見交換したり、基礎練したりしてきていて、久々のリアル稽古✨
まず取り組んだのがエチュード、それも次々と場面、設定を変えていくエチュードでした。
これは、舞台上での反射神経や、空間、自身の体の使い方のバリエーションなどを鍛えていく有効な稽古ですが、四日市リトルのみんなには、ある一点で素晴らしい響き方をした。

覚えた台詞を言うのではなく、相手が持ってくる台詞によって、場はどこ?自分は誰?仲間たちの役どころは何?…相手の発するものに、みんなものすごく集中する。新しい設定を放る人は、みんなが一生懸命それを理解しようとしてくれる、多少…多少どころじゃなくだいぶ変なことを放っても(笑)、みんなが一生懸命受け取ってなんとかしようとしてくれるのを経験する。
今まで以上に信頼関係が深まったように見えました😄それが最終日につながっていった気がします。それはまたあとの話😁

また、今年の作品のテーマを決めるべく行った言葉集めでは、出るわ出るわ!様々な観点で、もう長編が3本くらい書けちゃいそうな、魅力的な世界観、はっとする言葉、印象的な幕開きの台詞、何か起こりそうな登場人物たち……大人スタッフは、ワクワクが止まりません😄その後の、ショートショートの創作でも、小学生から高校生まで、それぞれ内面にまで切り込む発想が出てきている。

これは、このままいけちゃうんじゃないか……
と思いました。

リアル稽古とオンラインを取り混ぜたワーク

そして迎えた、オンラインでの最終日!
リアル稽古とオンラインを取り混ぜたワークなんて「未来感あるよね」が大人スタッフの流行語に😁すっかりオンライン慣れしている子どもたちの能力には驚かされます✨
ティーンたちの様子を見て、もうここは、私たち大人は姿を消して、みんなに任せよう!と姿を消してみたら(Zoomなので姿を消して見ていられるの😁)……

すぐに、自然とリーダーシップを取る子が出てくる、問いかけに対して次々に自分の思いついたことを話す、それぞれの意見をみんなが受ける、それに共感する、さらにプラスする、転機を与える、とっ散らかってくると軌道修正の一言を発する子が出てくる……
中1〜高1の子たちが、ここまで建設的に話ができるか!と、大人スタッフは感動しました😭✨
さらにスゴいと思うのは、けっこうな年齢差があるのに、フラットに話ができていることです。お互いを思いやり合う気持ちを持っていて、それをお互い信じているからこそできるんだと思いました😭✨

コロナの影響は、見通しが立たず、一寸先も読めない中での活動です。
ワークショップ初日に、時間をかけて共有したように、私たちリトルは、慎重に全力で、感染防止対策をとって活動を行う。でも、今日が最後かもしれない…本番前日に中止が決まるかもしれない…それでも、どうなっても誰のことも責めないし、クサらない。そこまででやれたことは自分たちの生きる糧になる「表現」なんだ。その信念を、みんなが強く持っていたい。
一回一回の稽古を大切に、子どもたちは前向きに取り組んでいます。小中高生が、こんなにポジティブに表現に向き合っている。

私たち大人は、彼らの姿に本当に励まされ、その前向きさを見習わねばと強く思うのです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?