アブラゼミの羽化は命がけ
ジリジリジリ・・・ 🎵
アブラゼミは日本の夏の代表選手。昼間に公園を歩くと、セミの国に迷い込んだような賑やかさ。鳴き声を聞くと、ますます暑くなるよー?!
ここのところ猛暑日続きで昼間は出かける気にならず、日の入りの時間に、アブラゼミの羽化を見に出かけました。
暗くなってきて、幼虫が土の中から顔を見せます。何年も(5年くらい?)、土の中で木の汁を吸って大きくなった幼虫が、いよいよ地上へ。「ヨイショヨイショ、ゆっくりゆっくり、木を登るのは初めて。大変だなー。羽化をするにはどこがいいかな。ヤバい。アリがよってきた。来ないでー。」
「よしここに決めた。殻をぬくぞー!!」体をゆすって、背中がカパッと割れました。羽化のはじまりです。
ゆっくり、ゆっくり、殻から体をぬいていきます。
「逆立ちだー。脚が乾くまで、しばらくこのままじっとしていよう。」体は白く、翅はまだ小さく、うっすら緑色できれいです。なんだかカワイイ。
「そろそろ、体を持ち上げようかな。ヨイショっと。」上手く、前脚でつかまることができました。
縮んでいる翅を、ゆっくり広げていきます。うっすら緑がかった白い翅、なんて美しいのでしょう。「上手く翅を広げられた!このまま朝まで乾くのを待とう」
徐々に模様と色があらわれてきました。緑色の翅脈もはっきりわかります。
なんてことでしょう。困ったー (>_<) ハプニングが起こりました!
セミには好みが木があるようで、同じところに幼虫が集まることがあります。羽化を始めた幼虫に、後から来た別の幼虫が乗っかってしまいました。「僕に乗っかるのはやめてくれー」と叫びたいところですが、どうすることもできません。乗っかられた幼虫は、羽化が上手くいきませんでした。自然界は何が起こるか、全く先が読めません。
殻が割れて背中が見えてから、翅を広げるまで約1時間ほどかかりました。セミの羽化は一生の中での一大イベント。翅を上手く広げられなかったり、アリに襲われたり・・・、せっかく地上に出てきたのに、命を落とすセミもたくさんいることでしょう。
無事に羽化できたセミ、どうぞ大きな声で鳴いて、夏を謳歌してください。もううるさいなんて言いません。セミの羽化は、神秘的で、美しい!そして、鳴き声は力強い!子孫を沢山残し、来年も再来年もずっとずっと歌声を聞かせてください。
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