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木と草の違い

森と木が大好きな北海道の佐野です。
さて、今回は、木と草の違いについてです。

草とは木ではないもの

木と草の違いを述べるためには、木の定義、草の定義が必要ですよね。そこで、まず、草の定義を述べたいと思います。ずばり、「木ではない植物」です。木で鼻を括ったかのような回答ですが、この定義が全てを語っているのです。

例えば、竹は木か草かという質問を目にした人も多いと思います。木でも草でも無いという回答も散見しますが、どちらかにするなら草と整理しているのが大半だと思います。そして、竹が草である理由は、「木のように毎年太らないから」だとか「木のように年輪を作らないから」と説明されていると思います。これって、竹は木ではないことを説明しているだけで、草であることを説明していませんよね。

毎年、太らないから竹は草?

つまり、植物は木と草に2分類できることを前提として、木の定義を定め、木の定義に当てはまらないその他の植物が草ということになっているのです。

木の定義は?

さて、その木の定義なのですが、これが、また、不明確で、本によって微妙に変わっています。

そこで、あくまで、私が今まで読んだ本を整理して、最も厳格(狭義)に木を定義すると以下のとおりになります。なお、この整理は、あくまで、私の私見であることをご了解ください。

①種子植物であること
②多年生植物であること
③茎が木質化すること
④成長点が複数あること(枝分かれすること)
⑤茎が二次肥大成長すること(日本の場合、年輪を形成すること)
⑥自立して、個体支持すること

以上の結果、
①の理由により、ヘゴなどの木性シダ類が、
②の理由により、大半の雑草が、
③の理由により、大半の多年生雑草が、
④の理由により、ヤシ類が、
⑤の理由により、竹類が、
⑥の理由により、つる類が、
木の定義から外れます。なお、ヤシ類は、一次肥大成長しかしないので、毎年、太くなりますが、⑤の理由からも木の定義から外れます。

注)本によっては、木性シダ類、ヤシ類、木質化するつる植物を木に含めている場合もあります。

典型的な木(カツラ)


年輪こそが木の特徴


年輪を形成しないシュロ


自立できないつる植物


竹は木か草かは日本人永遠の課題?

さて、実は、竹は木か草かについては、古くから日本人の悩みの種であったらしく、古今和歌集にも、こんな歌が掲載されているようです。

木にもあらず 草にもあらず 竹の世の
端に我が身は なりぬべらなり

千年の昔からの日本人を悩ませ続けてきたんですね。あまり、結論を急がない方が良いかもしれませんね。

はなもく散歩では?

さて、ここまで書いておきながらなのですが、はなもく散歩では、木の定義をはっきりさせておらず、かなりアバウトに、木っぽいものは全て木としています。ということで、はなもく散歩では、竹もシュロもつる植物も、みんな、木の仲間に入れていますので、ご了解ください。

木と人との出会いをつくるWEBアプリ


NPO法人リトカルは、もっと多くの方が木と出会い、木をもっと深く知り、癒されながら、生命のつながりの深さ、森の尊さを知っていただきたいと考えています。
木と人の出会いをつくるWEBアプリ「はなもく散歩」は、そのために開発されたアプリです。
ぜひ「はなもく散歩」を通して、木と友だちになってください。
「はなもく散歩道」はこれから全国に拡大する予定です。


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