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ネムノキは神秘的~花と葉と虫たち~

猛暑日が続き、雨も降らず、街の街路樹や公園の木々は元気がありません。暑い中、夏の花、ネムノキが花を咲かせています。淡いピンクの花はとても目立ち、夏の暑さを和らげてくれるような気がします。ネムノキは梅雨時に咲くイメージですが、今年は梅雨明けが早かったので、真夏の花になりました。

蕾からクネクネ飛び出す雄しべが楽しい!
これがピンクのふわふわの花になるとは・・・。

蕾が開いて雄しべがこんにちは!

花のふわっとしたかたまりは、10~20の花が集まってできています。一つの花にはピンク色の糸のようなおしべが30本ほどあり、先に葯がついています。雌しべはどこ?白いツンツンしたものが雌しべです。

雄しべはたくさんあるけど、雌しべは少ない

ネムノキは夜に葉が眠る(就眠運動)からネムノキだと思っていましたが、昼も葉が寝ていました。昼寝もするのですね。晴れて暑い日は、水分の蒸発を防ぐために葉を閉じるのでしょうか。
それから、なんとなんと、開いている葉も「ね~むれ~、ね~むれ~♬」と歌いながら、葉を優しく触るとだんだん閉じてきました。どうして?

晴れて暑い日は、昼間でも葉を閉じています

葉のつけ根に少しふくらんだ葉沈(ようちん)と花外密腺がありました。小さな葉(小葉)にも葉沈があります。

葉沈の膨圧で葉が開いたり閉じたりするらしい

ネムノキに虫たちがやって来たー!!
蕾が白っぽくなり、何だか元気がありません。よーく見てみると、小さな虫がうごめいていました。蕾から出ている白い糸のようなものはヤマトキジラミの幼虫がお尻につけている白いロウ物質です。ヤマトキジラミはカメムシの仲間で、成虫になると小さなセミのような姿をしています。

ヤマトキジラミの幼虫(1mmちょっと)はお尻から白い糸のようなロウ物質をつけている。
蕾の汁を吸い、甘露を出している。

花にはアゲハの仲間がやってきます。花の蜜をなめてみると甘~い!
オオクモヘリカメムシというカメムシもよく見かけます。

オオクモヘリカメムシは、ちょっと、いえ、かなりくさい
フタテンオエダシャク(蛾) 幼虫はネムノキの葉を食べます
カキバトモエ幼虫(蛾) トモエガの仲間の幼虫がよく幹にいます

1本の木をじーっと見るといろいろな発見がありますね。
ネムノキの秘密はまだまだありそうです。
ネムノキはお昼寝中。私もちょっとネムノキの木陰で一休みしようかな。

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