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木は水より重い?

北海道の佐野です。
今日は4月1日、エイプリールフール。ということで、嘘みたいな話。実は、木は水より重いという話です。それも、外国の特別な木ではなく、日本のありふれた木の話です。

日本で一番重い木は?

ネットなどで調べると、「日本産樹種では、最も重い木の1つとされているウバメガシでも全乾比重が1より小さく水に浮くが、外国産樹種には、リグナムバイダなど全乾比重が1を超えて水に沈む木もある」といったようなことが書かれていると思います。

木の重さとは木材の重さだった

全乾比重というのは、乾燥させて水分を完全に失くした状態の比重ですよね。つまり、生きた木ではなく、死んだ木を乾燥させた状態の木材で考えていますよね。

例えば、雄のアフリカゾウの体重は約6トンと言われていますが、死んだゾウを乾燥させてミイラ状態で計っているわけではありませんよね。もちろん、生きているゾウの話です。

生きている木は水に沈むか?

それでは、木も、生きた状態で考えましょう。当然、生きている木は、体にたくさん水を含んでいますよね。例えば、関東地方では良く生えているシラカシという常緑広葉樹があります。どんぐりの木ですね。

もちろん、生きた状態のシラカシに、よっこいしょと水に浸かってもらうわけにはいかないので、枝を切って水に入れることにします。どうなるでしょうか?実は、水に沈むんです。

シラカシの全乾比重は0.87なので、含水率が20%を超えると水に沈むことになります。ということは、生きているシラカシの木は、ほぼ間違いなく水に沈むことになります。つまり、水より重いということですね。

たくさんあった水に沈む樹木たち

同様に、他にも、生きている状態であれば、水に沈む広葉樹がたくさんありますね。実際に実験したところ、千葉にある私の家の庭に植えているシラカシ、ナツツバキ、サンシュユ、シマトネリコは沈みました。
1枚目がナツツバキ、2枚目がサンシュユです。1枚目の写真には、比較のため、乾燥させた木材(樹種不明)を浮かばせています。


針葉樹は水に沈むか?

それでは、針葉樹ではどうでしょうか?代表的なスギやヒノキの全乾比重は0.3~0.4なので、含水率がだいたい200%を超えないと水に沈まない計算になります。健康的な木であれば含水率が200%を超えることはほとんどないので、スギやヒノキは生きている状態でも水に浮くと考えて良いでしょう。

木の性質を熟知していた太閤さん

だからこそ、かの木下藤吉郎が、墨俣城を一夜で作ったとき、山で切ったスギやヒノキを筏に組んで、川で運んだんですよね。

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