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レガシー版ボロスエネルギーのすゝめ


はじめに

レガシー版ボロスエネルギーのリストが概ね固まったので紹介記事を書くことにしました。Twitterでの反応が良かったというのもあります。
今回はメインボードの60枚のカードについて解説していきます。サイドについては禁止改定が迫っているということもあり、環境の変化が期待されるためここでは詳説しません。
現在レガシーをプレイされている方、これからレガシーを始めてみたいと思っている方、特にモダンでエネルギーを使っている方などに読んでいただけたらと思っております。

最初に言っておきたいのはこのデッキは今のレガシーで勝てるデッキであるということです。現在のリストに至るまでアップデートを重ねつつですが、よく行くお店の3人から20人くらいの大会に8回ほど出て負け越したのは1回のみです。このデッキにはそれほどのパワーと環境適性があるのです。
次に言いたいのは手数が多くテンポが良いので純粋に回していて楽しいデッキである(と感じる人も多いだろう)ということ。
そして最後にべらぼうに安上がりなデッキであるということ。レガシーにしては、ですけどね。某通販サイトで75枚が8.5万円ほど。《アンシー》1枚より安いね!モダンでエネルギーを使っていた人なら3万円分ほど買い足すだけで組めるデッキです。3万でレガシーが始められるって聞くと魅力的じゃないですか?
安ければ何でもいいとは全く思いません。動きが楽しいだけでも足りません。それらを満たした上で勝てるデッキであること、それがこのボロスエネルギーの魅力です。

デッキのコンセプト ー 長所・短所

このデッキの特徴は、「呪文がほぼ1~2マナ」「起動型能力を持つ置物や土地が多い」という2点です。これにより、空白ターンなく必ずアクションができ、テンポを無駄にしません。2ターン目3ターン目から2アクションすることも可能です。毎ターン動き続ける。「毎ターン2アクションする」のがこのデッキの目標です。
展開速度が速く横並びするため、相手のピン除去には強く、こちらの除去は大型クリーチャーに対しても有効なので、相手のクリーチャーの前に殴れずもじもじすることもありません。→長所
アクション数で勝ることで、ランプやコンボなどでないフェアなデッキに対して優位に立ちまわれます。「UBテンポ」のようなデッキに対しては大きく有利がつきます。また、ランプデッキに対しても《不毛の大地》を採用しているため、五分~有利になりやすいです。→長所
しかし、《意志の力》などの打ち消しを備えないこのデッキはコンボデッキに対しては概ね不利です。→短所
幸い、白や無色のヘイトベアー、置物をサイドに採ることはできるので、速度が遅いコンボに対してはある程度対抗できます。除去が強力なおかげで「ナドゥ」のようなクリーチャーコンボにも耐性はあります。

採用カード

デッキリスト

クリーチャー

《魂の導き手》4
フェアなデッキからすれば対応必須カードです。壊れてます。とにかくライフレースをぶち壊します。
こいつがいれば土地から多少ダメージを食らおうが関係ありません。負けるときはライフに関係なく負けてるときで、勝つときはライフ20か30くらい残っています。《プラトー》を買いたくなければ《鋳造所》で全然いいです。筆者はこのデッキを気に入り、肝を据えて購入・採用しましたが《プラトー》の勝利貢献度はマジで無です。
《導き手》は初手にあると嬉しいカードなのに終盤トップデッキして勝因になるときもあるカード。攻撃時にパンプする能力はこいつ自身が殴っている必要はないため、戦闘前にこいつを出して、余ったエネルギーを攻撃クリーチャーに注いで飛行+2/+2してリーサル、というのはよく起こるシチュエーションです。
またこいつがいることでエネルギーが余り、《電気放出》の出力を上げることができます。
攻撃時誘発にエネルギーを使う使わないの選択が勝敗を分けることもあるので、第1メインでクリーチャーを出さなくていいか、パンプをするのはどいつか、戦闘フェイズに入る前にもう一度しっかり考えましょう。

《オセロットの群れ》4
楽しいカード。今のリストはこのカードを強く使うための構築です。
こちらも絆魂を持ち、ライフレースを有利にします。先制攻撃で直接戦闘にも強い仕様。
後半のテキストはややこしいですが、「とりあえず猫を出す」「←の時点でパーマネントが合計10個以上あればさっきの猫を含めこのターン作ったトークンを2倍にする」というもの。
条件を満たした状態でエンドを迎えたとき、
オセロットが1体で猫2匹🐱🐱
2体で6匹🐱🐱🐱🐱🐱🐱
3体で14匹🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱
4体で30匹🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱🐱
出るんですね、なぜか。
猫以外のトークンもコピーするので、《アジャニ》の猫・戦士、《瑪瑙の扇動者》の新生トークンなども適用範囲です。
フェアなデッキからすれば対応必須カードです。壊れてます(2回目)。
これを見た青系デッキはWillを切るレベル。

フレージを採用していないのでモダンよりも能動的なライフゲイン手段は限られますが、《剣を鍬に》《電気放出》と除去が優秀なので、どかして殴る展開を作りましょう。
《導き手》との並びがとても強力で、《導き手》の能力でライフゲインしているので《オセロット》が誘発、トークンが出るから《導き手》が誘発……とこいつらだけでゲームを作れます。先手1ターン目《導き手》2ターン目《オセロット》《不毛》切ってエンド。ここまでやればフェアマッチは7割勝ってます。

《溌溂の牧羊犬、フィリア》3~4
こいつは何故猫じゃないのか。こいつが猫だったら《魂の洞窟》を採用するのですが……さておき。
能力の使い方としては①ブロッカーをどかす②自軍のETBを使いまわす、の2通りが主です。たまに《チャリス》《苛立たしいガラクタ》などの置物を触りに行きます。
また、サイド後から入る《封じ込める僧侶》とプチコンボがあり、《フィリア》で相手クリーチャーを追放すると、《僧侶》で戻ってこれなくなるので毎ターンタダで除去が打てる状態になります。
瞬速ですが、2マナ立ててエンドすると「《フィリア》だな」とバレバレなのが難点。一応、《サムワイズ》とフェッチからの諜報ランドという裏択がありますが、相手は《フィリア》をケアした立ち回りをしてきます。というかするべきでしょう。
何かいいインスタント2マナアクションあれば教えてください。

《色めき立つ猛竜》4
壊れてます(3回目)。
壊れてるんですがカウンターくらいしか対処方法がないクレイジーなカード。
2/2/1先制攻撃が着地したら2マナ以下のランダムなスペルが1枚タダでキャストできる!(???)
今のリストでは3マナ以上のカードが《デルニー》しか入っておらず、その《デルニー》でも《導き手》→《猛竜》の並びなら唱えられるようになります。
+1アドもうれしいのですが、本質はテンポの加速です。こいつがいると2ターン目の展開力が倍になります。1枚で2回行動。このデッキのテーマである「毎ターン2アクションする」を実現する最良の手段です。
また、全除去された返しにこいつを出すだけでお手軽再展開も可能。対「奇跡」などではできるだけこいつを温存します。
能力の注意点は、《猛竜》で《猛竜》をめくったときはもう1回めくることはできません。エネルギーは得られます。忘れずに。たまに「リアニ」の方がこいつを釣ってデッキトップをめくろうとしますが、優しく止めて差し上げてください。
先制で戦闘面も強く、こいつ2体だったり《オセロット》だったりが並ぶと、中級エルドラージでも迂闊には殴れないブロッカーになります。

《ナカティルの最下層民、アジャニ》4
まあ壊れてますね(4回目)。
雑に2マナでパーマネント2つになりながらスタッツ合計は3/3。お前本当に2マナだよな?
重ね引いたときも自分で自分を変身させるトリガーになるため腐りません。
たまにカラカスで使いまわすシーンもあります。
フェアなマッチでは猫がブロッカーとして立っているだけで「殴ったら猫がブロックしてきてアジャニがキレる」という殴る気が失せる状況になります。
+2能力は《オセロット》やそこから出るトークンなどの猫クリーチャーを+1/+1強化するもの。フィニッシュブローとして使うほか、-4能力を使うために忠誠度を上げる目的で使用します。
±0能力はメインウェポン。基本スペック「トークン生成」に「ほかに赤いパーマネントをコントロールしていたらクリーチャーの数分AnyTargetバーン」する。大変強力。この「赤いパーマネントをコントロールしていたら」という条件を満たせるため《猛竜》はキーカードとなります。大体3~4点火力くらいにはなるので、《タミヨウ》(裏面でも)や中級エルドラージも落とせます。《剣鍬》《電気放出》が強いので盤面より顔面に撃つことが多くなります。
-4能力は簡単に言うと「土地以外に対する《大変動》」です。各パーマネントタイプにつき1つずつ残して残りを生け贄に捧げさせるというもの。「カーンフォージ」など特定のタイプのパーマネントを並べるデッキに対してクリティカルします。使う機会は少ないものの、影響力の高い奥義が+から入って次のターンには使えるということで、マッチアップによっては積極的に狙っていきます。
《アジャニ》は変身後、基本的に±0で盤面を有利にし続けるのが仕事で、他はおまけです。
相手目線、「猫を除去してアジャニを裏返らせて、PWになったところを殴って落とす」というプレイングもあるのですが、アジャニが「怒る」かどうかは「任意」です。変身はマストじゃないんですね。そういう場合は「変身しない」選択もアリです。

《瑪瑙の扇動者》3~4
パッと見で分かりにくいですが、とても強いです。一応このリストだと理論値4ターン目にこいつが4万点火力になります。マジです。理論値4万なので、片鱗でも見せれば20点削れます。
強みとしては軽量の赤いパーマネント(先述の《アジャニ》の条件)でありある程度クロックになる点と、《アトラクサ》などのブロッカーが出てきた場合にブロッカーを無視して非戦闘ダメージを与えられる点です。
見た目通り、先置きしておけば後からクリーチャーを出すだけでクロックが上がるというクリーチャーです。
ここに自身のコピートークンや《オセロット》の能力で出てくるトークンを絡めると非常に大きなダメージ源になります。前述のとおり、新生トークンは《オセロット》でコピーできます。
小テクとして、《猛竜》でめくった場合に2マナ余っていれば新生コストを支払うことができます。エネルギーを追加で支払って新生はできません。
ちなみに「各対戦相手」にバーンなので、《指輪》のプロテクションを貫通します。訂正:プロすべなので対象には取らないけどダメージ軽減されますね。
新生する場合は赤赤が必要になるのでフェッチの切り方には少し気を使います。しかし、あくまでオプションのフラッド受けなので、《不毛》を使ってくる相手などには無理せず平地を確保しましょう。

《剛毅なるサムワイズ》1~2
まあまあ強いです。
《フィリア》の裏択、2マナインスタントアクションが欲しくて登用しました。
一番強い動きは(《カラカス》or《フィリア》)+《不毛》+こいつ。
毎ターン《不毛》で土地を割り続けられます。体感5ラウンドやってると1回か2回はそろいます。「特殊地形に頼ってるデッキ相手に」「先手を取っていて」「3ターン目くらいから始動」と、机上論感はありますがハマれば強いです。
そんなにうまく行かなくとも、普通にフェッチ1枚、不毛1枚回収できるだけでも悪くありません。除去されたクリーチャー回収でもいいですしね。
筆者もよく忘れるのですが、おまけで「指輪があなたを誘惑する」の一文もあります。

《世慣れた見張り、デルニー》0~1
何でもいいけど「倍になる」って良いじゃないですか。良いですよね。
ここまで挙げたクリーチャーはすべて「パワー2以下」なので、すべてのクリーチャーの誘発が倍になります。《猛竜》で2枚めくって、《アジャニ》は3兄弟、《導き手》《オセロット》《フィリア》《サム》《扇動者》「全部倍」です。
ついででパワー3以上にブロックされません。地味つよ。
《オセロット》も倍なんですよ。つまり《オセロット》が2体いるだけでトークンが30体出てくるんですね。ここに《扇動者》がいると……?30点バーンが2倍なので60点バーンですね。ご存じの通りMTGのライフは20点です。
ロマン枠ですが、採用する価値はあると思います。3マナ域は《舷側砲の砲撃手》が選択肢に入ります。ここは環境と好みで選べる枠です。「どうしてもオセロットで昇殿したい派」「ねこちゃん多頭飼育したい民」としてはパーマネントをサクって減らすのがちょっと嫌かなと感じます。しかし実際、速攻威迫+クリーチャーだけでなく《不安定な護符》や《語り部の杖》を投げつけることで、リーサルターンが1ターン前倒しになり勝てるという場面もあると思います。ねこをサクって《アジャニ》を能動的に変身させる選択もありますね。そういった点で《砲撃手》は優れています。
現在のリストはスクリューよりはフラッドの方がありがたく、土地も22枚とアグロデッキとしては多めですが、素のコストが重いカードはあまり入れたくありません。これは「猛竜のヒット率を上げる」ためと「毎ターン2アクションするという目標がある」ためです。3マナ域はそれ自体が2アクションに相当するインパクトのあるカードである必要があります。《鏡割りの寓話》も以前採用していましたが、カードの特性から効果を発揮するまで、アドバンテージを得るまでに時間がかかるため不採用となりました。《寓話》の代わりは後述の《語り部の杖》が務めます。

スペル

《剣を鍬に》4
レガシーで白いので入れます。っょぃね。
自身が継続的にクロックを刻めるデッキなので、多少のライフゲインには目をつむります。《コーの遊牧民》を擁する「ナドゥ」などにも強いですね。《超能力蛙》も問答無用で消し飛ばし、「リアニメイト」戦略も否定します。
追放であることは9割5分メリットなのですが、《アジャニ》を能動的に変身させたい気分のときに、使い勝手が悪いなというわがままな不満を感じなくもないです。

《語り部の杖》1~3
このデッキのためにあるようなカード。
これ自体をカウンターされるのは全く問題がない上、1マナ浮いた状態でプレイできれば《目くらまし》をケアしながらドローを構えられるのが強みです。
カウンターは起動1回でなくなってしまいますが、このデッキなら無理せずリロード可能です。
また《フィリア》とのシナジーが強力で、継続的にアドバンテージを稼ぎながら飛行1/1を製造し続けます。
《鏡割りの寓話》も似たような運用が可能ですが、3マナが少し重く、2アクションしにくかったり、カウンターされると隙が大きいので、代わりに《杖》を3枚採用しています。軽さは正義。
またパーマネント2個としてカウントするため《オセロット》の昇殿に寄与します。
昇殿を達成している場合の《オセロット》のエンド時誘発は、トークンを出すイベントが2個に分かれているということで、《杖》にカウンターが2個乗ります。豆。

《静牢》0~2
1枚だけ採用。サイドにも1枚採ってたりします。
エネルギーはじゃぶじゃぶ溢れることが多く、このカードを運用しきれないということはないのですが、インスタントである《剣鍬》《電気放出》を優先しています。
主な当て先は「ショーテル」系統の《全知》《騙し討ち》《エムラクール》、「カーンフォージ」の置物全般です。その他雑多なデッキにも仕事ができるため、1枚だけ引く分には腐りにくいです。
モダンで使っていた方ならわかると思いますが、静牢の維持コスト支払いは「戦闘前メインフェイズ開始時」に「任意で」行います。払わず生け贄に捧げることも可能です。この「戦闘前メインフェイズ開始時」というのが忘れやすいので気を付ける必要があります。
一応パーマネントなので《オセロット》の昇殿達成に寄与します。
《サム》で回収できるほか、《フィリア》でブリンクも可能です。

《電気放出》3~4
《稲妻》は《難題の予見者》《ナドゥ》《濁浪》《超能力蛙》など、レガシーの主力クリーチャーに役割が持てないことも多いのが現状です。
電気放出は効果解決時に支払うエネルギー=与えるダメージを決められるため、《超能力蛙》にも強く、パンプされようがされなかろうが、タフネスぴったりのダメージを与えて落とすことができます。エネルギーを支払わないことを選んだ場合はダメージゼロで3エネもらうだけ、ということも可能です。自軍クリーチャーも対象にとれます。
顔面に撃てないのは短所ですが、《導き手》《猛竜》などが溜めるエネルギーで出力を上げることができるという長所もあります。
エネルギーが5くらい余ってることはよくあるので、それを使うことで8/8の《濁浪》を1マナで焼けます。《アトラクサ》もこんがりです。

《不安定な護符》0~1
《アジャニ》用の赤いパーマネント+ほんのりダメージソース+アドバンテージ源。
先述の通り、エネルギーは余るので使い先を考える必要があります。《導き手》のパンプか《電気放出》の火力か《護符》のアドか。状況次第です。
こちらも《杖》同様、《フィリア》でブリンクすることでアドが稼げます。
《護符》がある状態で《猛竜》の能力で呪文を唱えると《護符》のバーンが誘発します。覚えておきましょう。《扇動者》と同じく「各対戦相手」に対するバーンです。

土地

《平地》2~3
「白単タッチ赤」の心意気でフェッチからは平地を確保しましょう。赤赤が必要なのは《扇動者》の新生コスト支払い時とサイドから入る《ディレイド・ブラスト・ファイアーボール》を唱えるときだけです。白白が欲しい場面はたくさんあります。具体的には《語り部の杖》キャストから起動まですると白白が必要になります。

《山》1~2
最悪赤マナがなくてもゲームにはなるので《平地》の方が優先です。

《乾燥台地》4
特にいうことなし。

《溢れかえる岸辺》2~3
山を持ってくるためにフェッチを《虹色の眺望》にしていたこともありますが、現在は安定して《プラトー》《平地》を持ってくるために白絡みのフェッチを採用しています。また、諜報ランドを採用する場合は《岸辺》などのフェッチの方が強いです。

《プラトー》もしくは《聖なる鋳造所》1〜2
フェッチから探せて2色出るなら何でもいいです。ライフレースは95%こっちが押す側なので。「《鋳造所》だったから負けた」「《プラトー》なら勝っていた」はまず起きません。競技でやるとかでなければ《鋳造所》にしましょう。このデッキが気に入って、「買ってもいいかな」という気分になったら《プラトー》を買ってください。最初から買う必要はないです。

《優雅な談話室》0〜1
赤白諜報ランド。テンポを重視するデッキですが、やはりあると嬉しい。《フレージ》を採用していないので墓地を肥やすことに意味はなく、純粋なドロー操作目的です。
2マナ立てている時に、《フィリア》を出すぞという顔をしておいてフェッチからこれをサーチできるのが有用です。

《カラカス》2
2枚あるといい感じ。対「リアニ」「ショーテル」系に強くなるほか、《アジャニ》《フィリア》《サム》を使いまわせるのも利点です。このデッキにとって脅威である《知りたがりの学徒、タミヨウ》に触れるのもいいですね。《プラトー》はいりませんが、《カラカス》は是非2枚採用してほしいです。

《灼陽大峡谷》2~3
2色出る縦置きの土地。
ライフペイはどうでもいいです。どうせライフレースでは勝ってるので。デメリットが機能していないです。ちょっとライフ管理というか、記録するのが面倒だなってくらいです。
フラッドしたとき、どうしてもドローしなきゃいけないとき、役に立つときがあります。ライフを惜しむ必要はないので、積極的に寝かせていきましょう。これを立てて《平地》を寝かせたところを、《不毛》でこれを割られ《剣鍬》が撃てない、なんていうのも馬鹿らしいので。

《不毛の大地》4
4枚確定。モダンのエネルギーで絶対に真似ができない枠。これがあるので《フレージ》は採りにくいです。
土地であり実質的なスペルでもあります。相手がマナスクリュー、カラースクリューになって手札消化が悪くなったところを、1~2マナのパワーカードで攻めます。自分がスクリューしている時は使わなければいいだけなのが本当に強い。そのターンに起動している場合に限りますが、《サム》のETBで回収することができるため、その場合は使いまわすことも可能です。
小テク。《オセロット》の昇殿が達成できそうなときは、エンドにオセロットの誘発を解決してから《不毛》を切ることで、昇殿の達成を邪魔せずに《不毛》を使うことができます。昇殿は1回達成したらゲーム中失うことはないので、《不毛》を切ることでパーマネントの数が9個以下になっても問題はありません。
ただ、相手が除去を持っていそうでこれから《オセロット》を出したいというときは、第1メインで《不毛》で除去を撃つための土地を割り、戦闘へ移行して浮きマナを消し、第2メインでオセロットを出すプレイングもあります。

おわりに

ここまでお読みいただきありがとうございます。
レガシー版ボロスエネルギー、いかがでしょうか。強く見えましたか?弱そうでしょうか?
《意志の力》が使えない、コンボ耐性が低いというのは明確で大きな弱点です。ですが、《思案》や《渦巻く知識》などが使えないことは全く問題でないと感じています。このデッキならその1マナで《オセロットの群れ》などの強力なクリーチャーを展開できるからです。「非青デッキだからレガシーではゲームにならない」なんてことはありません。今は「カーンフォージ」みたいなのもいますが……《苛立たしいガラクタ》効果ですね。
なんにせよ、ボロスカラーで真っ当にライフレースをするデッキがレガシーで勝てるんです。
レガシーに興味はあるがカード資産がない方、モダンでボロスやマルドゥなどのエネルギーをやっているが、禁止改定で弱体化が見込まれているため、今後どうしようか思案している方へ、このデッキをレガシーでプレイしてみることをおすすめします。
リストやこの記事を読んでみた感想、デッキを回してみた所感などあればこちらのコメントかTwitter:@philo(https://x.com/philolly)までお寄せください。お待ちしております。
重ねて、ここまで読んでいただきありがとうございました。
また機会があれば、禁止改定後の姿やサイドボードなどについて語るかもしれません。それでは。

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