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【日記】かかと

初夏、雨がしとしとと降っていて、シャツが肌に纏わりつくこんな時期。


ギラギラと鬱陶しい煌めきを押し付けてくる東京。

とかく東京は情報に塗れていて、いつも溺れそうになる。

地元で10分かけて目に入る人数を、10秒で脳内で情報処理しているのだ。

それをこなしながら、人の波に乗ったり、抗ったりして移動する。
建物も標識も全ての情報がノイズになる瞬間が何度も訪れてしまう。

聞こえる音の種類もきっと何倍にも多くて、処理しきれなかった音たちは、私の中の何処に行ってしまうのか。

…そんな事を話したかったわけじゃないんだ。

夢がぶつかり合う活気溢れた場所で、少し背伸びをしてしまった。
なんだったら、ジャンプもしていた。
ここで踵を一度、地につけよう。


静かで緑あふれる場所で友達と何気ない話をしたかった。

今日は友人と新宿御苑に行った。
今年の3月28日に、よくわからない学校に入るという決断をしたから、出会えた友人だ。

気も予定も合う2人と、だらだらと話しながら、ひとけのない方へ、ない方へと向かう。

思ったよりも花は少なかったけれど、まさしく新緑といった風景を目に焼き付ける。
見つめていたら、自分の中の靄や穢れが減っていく気がして。

雨が短期間で降ったり止んだりして、ぐずついていた。一時止んだから、芝生の上を走った。
友達と走った。意味もなく。

傘をさしたり閉じたりするのは、面倒臭かったけれど、今思えば悪くなかった。

景色が自分の心象のようで。そして、最後には止んで自分の力で友達と芝生を走っていたから。すごくにこやかで幸せそうだったから。


今日だけで、入学した価値があったな。
という日が素晴らしいことに、これまで何日かあった。


今日はそういう日だった。


noteに書くという行為。
自分の性質上、回りくどい表現をしたがっているな。まだだらだらと連ねるよ。

家で「休む」だけでは、得られない喜びや楽しさがあった。
東京に来なかったら、わからない苦しさを書くんじゃなくて
今日のような日をたくさん重ねて、覚えておきたい。

私は忘れっぽくて、多くを求めてしまうから、ここに記録しておく。
今がすごく恵まれているということを。



私が背伸びの姿勢から戻れなくなった時も、そうでない時もまた遊んでください。

ありがとう。


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