見出し画像

リテピ花写50 実は梅でない? 黄色の小さく香りのよい花、蝋梅。

1月初旬、蝋梅(ロウバイ)が満開です。
花の少ない1月、見かけるのは山茶花ばかり。
赤い色が鈴なりに咲いている。

そんな中、
小さくかわいい黄色の花、蝋梅が咲き誇っていました。
たまたま日当たりのよい場所の蝋梅。

本当に蝋細工で作ったようです。
蝋のような鈍い透明感やつや。人工物でないかと思ってしまうほど。
でも、ほのかな甘い香りがふわっと漂ってきます。

梅より少し前に、ほぼ同時期時に咲くので、
てっきり蝋梅も梅の一種だと思っていました。

実は蝋梅と梅はまったく別のものなんですね。
蝋梅は梅でない。狼狽しますよね。(すみません)

ロウで作ったようなロウバイ

同じ様な時期に、梅に似た香りのよい、
蝋細工のような花なので、
また、臘月(旧12月)に咲くので、
そして花の色が蜜蝋(ミツバチの巣の蝋)に似ているので、
蝋梅と呼ばれるようになったという説があります。

もともと中国原産で、
17世紀の江戸時代に朝鮮から伝わりました。
当時は唐梅(カラウメ)
あるいは南京梅(ナンキンウメ)とも呼ばれたそうです。
カラと呼ばれた朝鮮も唐の字を当てる場合がよくあります。
中国の唐は700年前の10世紀には滅亡していますので、
江戸時代だったら、明末期ですね。
蝋梅は、中国名をそのまま音読みしたのが定着したようです。

寒い冬空に映える黄色い可愛い花。蝋梅。
花言葉は、「慈愛」「慈しみ」「ゆかしさ」「先見」。
一つひとつの花はうつむきに控えめに咲く姿から、
また梅より早く咲くのでそんな花言葉が付いたのですね。

小さくて可愛いロウバイ

冬に咲く花として、中国では、蝋梅、梅、山茶花、水仙の4つの花を
「雪中四友」(せっちゅうしゆう)と呼んで愛でているようです。
そういえば、皆同じ頃に咲いていますね。
実際、山茶花が咲き、蝋梅の横には水仙がきれいに咲いていました。

俳句の季語としての蝋梅は、晩冬(冬の終わり)を表します。
春がもうすぐそこにやってきていることを知らせてくれているのです。

蝋梅を見ていると、ロウソクが作れそうな感じがします。
ロウソクは、日本ではハゼノキから作り、
西洋では蜜蝋や鯨油から作っていました。
蝋梅ではロソクはできないのです。不思議ですね。
今では石油から作るパラフィンなどで作っています。

花の後には、実を付けます。種子を植えるとが発芽します。
でも有毒ですので、けして口にしないようにしてくださいね。

青空に映える黄色いロウバイ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?