漠然とした「不安」が人の生死を左右する。抗うために必要なのは、「生きる」方法を事実として知り、分かち合うこと
新型感染症の世界的流行という未曾有の社会情勢下で、私たちは今、これまでになく「医療」と「自由」を巡る自己決定を求められています。他人と自分の命を守ることを、これほどまで要請されたことがあるでしょうか。一方で、それが自由とのトレードオフであることが、事態をより複雑かつ困難にしています。
この「医療」と「自由」のせめぎ合いは、実は古くて新しい問題です。医療の発展による、出生前検査の普及、人工呼吸器装着のための気管切開という選択。相模原・津久井やまゆり園の殺傷事件――。いずれも、