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2020-21年秋冬-スタイルブック アウター編

こんにちは。フリーランスファッションデザイナーのchisatoです。

※以下2020年10月に別サイトにて投稿した記事の転載になります。


今回は2020-21年秋冬のスタイルブック、第4回アウター編です。今回が2020-21AWのコレクションより抽出したスタイルブックの最終章となります。アウター編では素材やデザインごとにカテゴライズしました。以下どうぞご覧ください!

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Woolen Coat - ウールリッチなコートが沢山登場。近年、柔らかさとな膨らみがある軽い素材が主流で、軽量だからこそできる分量感のあるシルエットやロングレングスは拡大傾向にあると思います。裏地をつけないイージーな構造のリラックスした装いのコートはラウンジエレガンスの流れにより、より一層需要が高まる気配ですね。
Cape-前シーズンより拡がりを見せたケープスタイルのコート。裏地をつけず、リバー仕上げでさらっと縫い上げたものがケープデザインとの相性が良さそう。フードデザインにしたり、生地の色柄等でどこかカジュアルな印象に仕上げたものや、抜け感のあるディティールを取り入れリラックスな雰囲気に仕上げたデザインが拡がりそうな予感。

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分量感のあるシルエットにウエストベルトを巻き女性らしいシルエットに。当シーズン目立ったスタンドカラーのデザインを取り入れきりっとした印象のケープコートにしました。

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Décolleté Coat - 大振りな衿のデザインが目立つ当シーズンでしたが、深い衿の開きや、デコルテラインが大きく開く衿周りのデザインのものが新鮮でした。今後拡がりを見せそう?個人的にはとても気になっています。

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デコルテが覗く深いネックラインの開きに大きめの衿、丸い肩のラインとコクーンシルエットで身体を包み込む様なシェル型のコートです。量感のあるコートは当シーズンのコレクションでは多く見られました。

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当シーズン気になったウールコートのデザインを羅列してみました。量感のあるシルエット、ロング丈、ラウンドショルダーやストロングショルダーなどフォルムのある肩が注目ポイントです。

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Anorak - ユーティリティーなアウターはAnorak型が多く見られ、当シーズンでは特にナチュラルな素材感や優しいカラーを取り入れアウトドアっぽい土臭い雰囲気やEarthy Moodに優しく振れたものが新鮮でした。

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当シーズンレイヤード のコートが多く見られたので、ポンチョシルエット風のレイヤード構造のAnorakを考えてみました。外側のコートの素材は撥水加工を施したナイロン素材のイメージです。ハイテクな素材ながらも色味や質感で素朴で優しいイメージをプラスしてみました。

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Quilted Coat - ダウンが内部に入ったキルティングコートはダウンが益々軽量化しコート自体も軽く、薄くなっていいます。圧着でダウンを閉じ込めたキルトステッチが無いタイプのもの、キルトの柄自体が模様の様にデザインされているものなどキルトのパターンも多様化している印象です。

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リバーシブルタイプのビッグカラーのダウンコート。片側はダイヤキルト、もう片方はステッチなしのタイプ。ウエストベルトをコーデする事でスポーティーさが軽減され女性らしいダウンコートに仕上げました。

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当シーズンのアウターは量感がポイントの一つですが、ダウンコートにもその流れがあり、ボリュームシルエットのものが多く見られました。それらに伴いストロングショルダーやビッグカラーも増えてきている印象です。前シーズンより引き続きカラーを取り入れたものも多く見られ、またシャイニーやグロッシーな質感も新たに加わってきています。

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Eco Animal - エシカル視点でのフォークロアが一つのキーワードとして上がっており、アルチサンを賞賛する様に工芸文化や手仕事を取り入れたデザインや、プリミティブな雰囲気の動物素材をフォークロアを取り入れながら表現しているアイテムが多数見られました。エシカル視点というものが大事となってくるので、革やムートンコートの素材はエコ素材である事が重要となっています。

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エコスウェードのコートにウール素材のショートジャケットをレイヤード したスタイル。当シーズンはボンバージャケットやライダース型も多く発表されており、その中でのポイントは革や素材使い、衿周りのファーにより新鮮さを追加したり、またレイヤード デザインを取り入れたりという手法が多く見られました。

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レザーのブラックコートは数多くのブランドが発表しており、グロッシーな素材、型押し、ヒートカットレザーなど素材の装飾性のバラエティに富んでいます。

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最後に素材のご紹介です。分量感のあるデザインやレイヤードのデザインが多く見られた当シーズン、ウールは軽さと柔らかさが重要となってくると思います。リラックスウェアの延長にある様なラウンジエレガンスの流れによりリラックス感のある優しい素材感、見た目が求められると予測。また、いよいよファッション産業全体にサスティナブルの意識が浸透している事によりリサイクルウール、リサイクルポリエステル、エコファーや、エコレザーなどの地球環境への思慮のある素材が重要となっています。それらもまた技術革新により、ものづくりの主義を叶えながらも、原素材に見劣りしない程のクオリティに押しあがってきていると思います。

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以上、2020-21秋冬スタイルブック、アウター編でした。こちらで2020年-21年秋冬コレクションから考察したスタイルブック完結です。最後まで読んでいただきありがとうございました!それではまた。

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