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単身ポルトガル生活の一ヶ月の生活費

「ポルトガルは物価が安い」と言われます。
たしかに、アメリカやイギリスやフランスや…その他先進国から見たら、ポルトガルはヨーロッパなのに物価が安い国だと感じるでしょう。
だからポルトガル国外で収入がある人が暮らすには最高です。例えば、ドイツの会社に勤めつつポルトガルに住んでリモートワークしている人なんてたくさんいると思います。

ではポルトガルの最低賃金レベルの収入で生活してみてどう感じるかというと、正直それほど安くは感じません。特に最近はいろいろな物の値段が上がっています。

具体的には何にいくらかかるのか。
今回のnoteでは、単身でポルトガル都市部に暮らす私の生活費の内訳を書いてみました。

1. 家賃

私の場合、生活費の中で最も多い割合を占めるのが家賃です。
単身のため、ルームシェアの部屋に住んでいます。「ワンルーム」というやつですが、こちらのワンルームは日本で言うワンルームと同じ意味ではなく、「個人の一部屋+共用バストイレキッチン」という意味ですのでご注意を。

気になる家賃は€350
立地や条件からするとかなりお得な物件でした。
光熱費等は含まれているため、毎月同じ値段を支払っています。
部屋によっては光熱費が含まれていない場合もあるので、そういうところでは毎月住人で割って支払ったりするそうです。
都市部のルームシェアだと家賃は€300〜€600が相場かと思います。

ちなみに住んでいる間に一度家賃の値上がりがありました。
元々契約書なしで住んでいたのですが「契約書を作る代わりに家賃を上げる」ということになりました。

家探しにはこちらのサイトを使っている人が多いです。
https://www.idealista.pt

日本みたいな完全な一人暮らしをしようと思ったらさらに家賃は上がります。最低でも€850くらい。ポルトガルの賃金では難しいですね。

2. 通信費

家のWi-Fiは家賃に含まれているのでスマホの料金のみですが、これは月€10(4GB)です。
通信会社やプランにもよりますが、どこも€7.5〜€17くらいでしょうか。最近は日本のように新しい通信会社の格安プランもありますよ。

さらに私の場合、海外で生活するのに欠かせないのがVPN。
VPNを使って日本の回線に繋げることで、日本のTVerやNetflixなどが見れます。
無料のものもありますが私は有料のものを使っています。
これは日本の銀行から引き落とされていますが、月額1,100円。約€8

3. 保険料

ポルトガルは日本と同じ国民皆保険です。個人の健康番号は移住者にも割り当てられ、これがあれば公立病院は無料です。
私のような自営業者は毎月20日までに自分でATMなどから社会保険料を支払います。収入によって額は違いますが、最低賃金レベルの収入だと月€20です。

もちろん任意保険に入っている人もたくさんいますが、私は今のところ入っていません。
幸い今すぐ必要ではありませんが、何かあった時のために入っていた方がいいのかなと考え中です。

ここまでが月の固定費です。計€388。

4. 食費

続いては食費です。私はほとんど自炊。
ここでは「家庭内で消費するもの」「一人での外食・カフェ」を食費としています。

私の一ヶ月の食費は約€120
カフェや外食の回数によって前後します。

ポルトガルのカフェは安いです。以下はおおよその値段。
・カフェ(エスプレッソ)一杯 €0.8
・エッグタルト一個 €1.1
・ガラオン(カフェラテ的なもの、量は多め)一杯 €1.5
飲み物とお菓子を頼んでもだいたい€2〜3です。

それに比べてレストランはあまり安いと感じません。
どっさりと盛られた皿を見るとその値段は安いのかもしれませんが、ランチやディナーとしての値段で言うと日本の外食と同じくらいです。一般的なポルトガルの食堂で、ランチ€10〜€15、ディナー€20前後。
日本よりポルトガルの方が最低賃金が低いので、レストランに関しては割高に感じます。(というか日本の外食が安すぎるのかも。)

スーパーの生鮮食品は日本より安いです。
野菜や果物は基本量り売り。表示されている値段は基本kg単位。
果物好きなので果物が日本より安くて毎日食べられるのは嬉しいポイントですね。あと肉や魚はあまり買いません。(調理が面倒なので…)

主な食品の値段は、
・玉ねぎ(1.5kg) €1.10
・トマト(1kg) €1.99
・卵(Mサイズ12個入) €2.19
・牛乳(1リットル) €0.84
今が旬の果物だと、
・スイカ(1kg) €0.99
・桃(1kg) €2.99

特に注目してほしいのがお米。
ポルトガルはよくお米を食べる国で、種類もたくさんあります。私はいつもポルトガル産のcarolinoという日本米に似た短い種類のお米を買っています。普通に白米として炊いています。
お米にこだわりがある人は日本米との違いが気になるのかもしれませんが、私は特にこだわりはないため普通においしく食べています。
お米はだいたい€1.29/kgです。驚きの安さ。日本人にはとてもありがたいですね。

お酒、特にワインも安いです。
€3くらいで十分おいしいワインが飲めます。

お菓子は日本と同じくらいの値段だと感じます。
スーパーのPB商品などは安いですが、それ以外はそれほど差はありません。お菓子の種類も日本の方が豊富。お煎餅食べたい。
ただポテトチップスなどは日本と比べると圧倒的に量が多いですね。

上記はポルトガル大手スーパーの宅配の値段を見たものですが、もちろん日によってさらに安くなっている時もありますよ。

高いと感じるものは日本の食材。
都市部にはアジアスーパーがありますし、醤油や味噌はBio系のスーパーでも売っています。でも高いです。
・納豆(3パック) €3.99
・カレールウ(一箱) €5.99
・豆腐(一丁) €1.40
私が普段買うのは豆腐、冷凍うどん、もやし、大根くらい。醤油や味噌や胡麻油もなくなったらここで買います。

5. 日用品費

トイレットペーパーやシャンプー等の日用品に関する出費です。
いつもスーパーで食品と一緒に買うので正確な値段は取っていませんが、月にするとだいたい€15くらいだと思います。

参考までに、私が使っている日用品の値段は、
・トイレットペーパー(12ロール) €1.99
・箱ティッシュ €0.99
・シャンプー €4.49
・トリートメント €4.49
・ボディソープ €2.99
この辺りの日用品は頻繁に割引されているため、その時に買っておくことが多いです。

6. 交通費

交通費も月の移動回数によりますが、私は在宅ワークなのでだいたい€25くらいです。カードにチャージしています。
月によって、移動回数が多い月には€40の定期を買います。メトロ、バス、電車等がエリアで乗り放題になるためとても便利です。

私はあまり旅行をしませんが、特にヨーロッパ内を旅行したい方にはポルトガルはいい立地ですね。
スペインなら長距離バスでも行けますし、ポルトガル国内を電車で移動する場合にも早めに買うと割引がききます。
ちなみにリスボン⇄ポルト(約313km)を電車で移動する場合、€15〜€45くらいです。

7. 被服費・美容費

これは本当に人によると思いますが、私はほとんどポルトガルで服や化粧品を買わないため、あまり参考にならないかもしれません。
服はあまり好みのものがなく…購買意欲が湧かないのは良いことかもしれませんけどね。(日本にいるとあれもこれも欲しくなってしまうのはなぜでしょう。)
メイク落としは、こちらではミセラーウォーターという拭き取り式のものが主流です。私もこれを使っています。
化粧水やクリームに関しては、その時々で気になるものを使っています。ヨーロッパ各地のナチュラルコスメが日本より安価に手に入るのはいいところですね。
被服費・美容費を月に換算すると、おそらく€15くらいではないかと。

8. 交際費

ここでは「友人・知人との外食費」を交際費とします。
これは月にだいたい€80くらいです。コロナで規制のある時は€0でしたが心的に辛かった…そう思うと誰かと会って食事ができる今は本当に幸せですね。

9. 雑費

・美術館や観光施設の入場料、本などの趣味にかかる費用
・各種サブスク費用
・コピー代などの必要経費
・その他
こういった諸々を合わせて雑費として、月€25くらい。(日本の口座から引き落とされているものもあり。)

ここまでが月の変動費です。計€280。

以上が私の1ヶ月の生活費の内訳です。トータル€668
ちなみに2021年12月2日に政府が発表したポルトガルの最低賃金は€705。
はい、なんとかぎりぎり生活できています。

もっと収入を増やして、貯金したりもう少し余裕のある生活をすることが目標です。今はまだ日本時代の貯金に助けられていることもあるので…。
それでも、手探りで単身海外に移住し、なんとか赤字にならない範囲で生活している自分を誇りに思います。お金にはまだ余裕がないけど、日本で働いている時には考えられなかったくらい自由な時間があり、大好きな街で暮らしている今が幸せです。

以上、単身ポルトガル生活の生活費についてでした。


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