リンク。

最近は都会暮らしにも慣れたかな

いつのまにか故郷を離れてからのほうが長くなった

地元にいる頃は田舎特有のウェットな人付き合いが

鬱陶しくてたまらなかった

なんだかんだ世話を焼く人間が近所にいた

当然皆顔見知りだった

◯◯の倅だろう 大きくなったな

何度こんな台詞を言われただろう

小さい頃から大きくなってからも

言ってるほうは気にもしてないが

言われる方はうんざりだ

忙しさと距離の遠さを理由に

滅多に故郷には戻らなかった

それは鬱陶しさも理由の一つだろう

少しづつリンクを外していった

無意識というよりも半分意識して

決して不自然と感じられないように

これを悲しいことと捉える人もいるのかな

それ程悲しいこととは感じていない

ひたすら目標へむかって

限りある時間を有効に使うために

足枷となる可能性のあるものは排除した

何か犠牲となるものがあるのは

仕方ないとしか自分には言えない

少なくとも若い頃の自分は

そう信じていた

最近ネットで調べものをしていた時

いきなり見覚えのある名前と遭遇した

あれ 地元のあいつか

こんな事すら以前の自分なら嫌だった

不思議と懐かしい気持ちになった

そのうち連絡してみるか

いや なにを今更か

リンクは繋がっているのか

果たしてどうなんだろう

切ったつもりだったけど

まあ いいさ

近いうちに確かめてみよう

そう決めてPCの電源を落とした

(注意=この投稿内容はフィクションです。)

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