出張の想い出。

貴女との初めての会話は
昼食の出前の注文を聞かれた時だった
あるシステムの現地テストで
出張した会社でのことだった
ニッコリと微笑んで
柔らかい雰囲気で
貴女は佇んでいた
今でもハッキリと憶えている

それから僕たちは
休憩時間に少しずつ
会話をするようになった
車の話がキッカケだった
僕の4WDに興味を示したね
キャンプの話を聞きたがった

あくまで仕事で来ているから
それ程時間的に自由はきかない
一緒に来ている先輩には
ナンパしに来たんじゃないぞ
とひやかされつつ
休憩時間の会話を楽しみに
作業を頑張った

でも 頑張れば頑張るほど
お別れの時は
早くやってくる
仕事だから
予定通りで良いんだけど
なぜか悲しくなった

作業は順調に進み
予定通り完了した

引き上げる日に
連絡先の交換はしたのに
なかなか直接会うことはできないまま
時間だけが過ぎていった

しばらくして
結婚します という
短い文章の連絡がきた
おめでとう と返して
僕たちの楽しいひとときは
一瞬で二人にとって
過去の想い出となった
と思っていたのは
僕だけかもしれない

今振り返ると自分に
勇気が無かったのか
余裕が無かったのか
もやもやして
胸がしめつけられる
春になると思い出す
出張の想い出

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