見出し画像

住宅会社・家造りの選び方基準を第三者目線で考えてみた。

家造りをするにあたって、住宅会社選びには多くの選択肢がある。大手ハウスメーカーや地域のビッグビルダー(大規模工務店)、高品質な家造りをするアトリエ系工務店に少人数で家造りをしている大工工務店などである。住宅会社はいくつかの基準で分けていくと実はかなり多くの業態に細分化できる。選択基準としては企業規模・家造りの考え方・価格帯・デザイン・性能・人など様々である。これらにタイミングやご縁なども踏まえながら総合的に住宅会社を選ぶ。

近年はインターネットの普及などで専門的な知識や情報の共有がどんどんなされており、家造りをされる方々も住宅会社と同等かそれ以上に詳しい方もおられる。一生で一番高い買い物なので、考えてみればそれは当然だ。家造りをする方(お施主)にとって世帯年収の何倍もする家造りをよく知らないで進めるほどリスクの高い事はない。

では、何を基準に住宅会社や家造りを選べばいいのか。

およそ20年の経験ではあるが元工務店経営者として、自分のおススメ基準は下記のとおりである。

〇家造りとして

①基本性能(特に耐震性・断熱性)

②間取り・デザイン

③素材感・質感

④価格(コストパフォーマンス)

〇住宅会社として

⑤施工力・技術力

⑥アフターメンテナンス体制

⑦家造りへの向き合い方(誠実さ・環境問題などへの取組)

⑧業績・業容・財務体質

住宅性能の確保や確実な施工はモノとしての基本的性能を担保する点で重要である。性能値もピンキリであるが、2020年代以降は災害と省エネという観点から耐震性能や断熱性能は高い基準をクリアしておく必要があるだろう。

自然素材もシックハウスなどの健康被害から身を守る点、また素材感・質感やといった点からの重要性も高い。加えて外観デザイン・間取りなど感性に訴える点も大きなポイントになる。最終的には価格も踏まえた総合的な判断が必要になるが、少々高くても一生ものなので良い家造りをしたいと考える方々が最終的に見るのはその会社の『家造りへの向き合い方』だと思う。家を建てる事へのこだわりやお施主への考え方はもとより、社員・職人・地域社会・環境問題など、いわゆるステークホルダーに対してどのような考えを持っているかが問われる時代でもある。だからこそ相応のスキルと会社の考え方(=理念:コト)が重要になっている。

他方で、お施主にとって最重要項目の一つがアフターメンテナンス。家を建てた後に実感する事だが、実は数十年にわたって関係する事である。アフターメンテナンスへの取り組み方で会社の誠実さやお施主への本気度も分かる。お施主は本質的に家を建てるという行為ではなく、建てた後の幸せな生活を求めている。その点ではデザインよりも重要だとも考えられる。

ただ、住宅会社側がアフターメンテナンスやりたくてもやれない状態も考えられる。例えば業績や規模の問題である。企業規模が大きければ良いという問題でもないのであるが、企業としてどういう状況かもシビアに見ておかなければいけないだろう。

家造りに予想外の出来事はつきもの。多くの知識を必要とするうえに状況の変化などにも対応しなければならない。細かい工程が一邸一邸すべて微妙に違うのである。これらを踏まえて、本当に信頼できる住宅会社は一定の規模とスキルがあり(信用度が高く)明確な家造りのコンセプトを持っている(信頼度が高い)ことが条件ではないだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?