暗黒音楽礼讃vol.6

Title: Yeah! Yeah! Die! Die! Death Metal Symphony in Deep C
Artist: Waltari
Year: 1996
Genre: Symphonic Death Metal / Progressive Metal
Country: Finland

フィンランド産ミクスチャーバンドWaltariによる、デスメタルとクラシックの完全な融合を極端な前衛性を以って成し遂げた問題作。ハードロックの伴奏にオーケストラを担ぎ出す手法はDeep PurpleやらPink Floydやらが60年代から先鞭を付けているが、本作はそこら辺のシンフォニックロックとは一線を画しており、オーケストラは単なる添え物ではなくサウンドの中核に位置している。大作映画のサントラさながらの壮大でダークなスコアの渦中に、様々なジャンルの異分子ーデス、スラッシュ、ラップメタル、テクノ……が手を変え品を変え暴力的に襲い掛かってくるという代物。

誰がやってもとっ散らかりそうなマッシュアップを「デスメタル・シンフォニー」の名の下に上手くまとめ上げている手腕も凄いが、Waltariの恐ろしいところは、彼らのディスコグラフィーにおいて本作が何の連続性も持たない特異点であることである。(前作はゴキゲンなパーティーファンクメタルだし、次作はグランジ風味のデジロック。デスメタルどころか、エクストリームメタルの要素がほぼゼロ!)
彼らにとってはこのような仰々しいコンセプトもジョークのひとつなのかもしれないが、冗談で作ったにしては完成度が高過ぎるし、本気で作ったにしては常軌を逸している。

<暗黒音楽指数>
退廃★★★☆☆
残虐★★★★☆
耽美★★★☆☆
陰鬱★★☆☆☆
総合★★★☆☆

オマケ……Google先生に翻訳された末路

\うん!うん!死ぬ!死ぬ!デスメタル/

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